翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ディランも変わる、易も変わる

ボブ・ディランノーベル文学賞に選ばれたことで、数々の特別番組が放映されました。ディラン先生のファンとしてはうれしい限り。

中でもおもしろかったのが、NHKのBSプレミアム「BOB DYLAN Master Of Change〜ディランは変わる〜」。
1994年の奈良・東大寺のライブを見逃していたので、この番組で見ることができて大感激でした。オーケストラにをバックに「はげしい雨が降る」を歌うディラン先生。
この曲は、ノーベル賞授賞式でもパティ・スミスが歌い上げました。

「はげしい雨が降る」は、私に言葉の持つ力を教えてくれた曲です。無味乾燥な教科書の英語に飽き飽きしていた時、たたみかけてくる歌詞に圧倒され、英語をもっと学びたいと思ったものです。

番組タイトルの「ディランは変わる」も私にとっては深い意味を持つものです。
易経の英訳のタイトルは"Books of Change"、「変化の書」です。

フォークからカントリー、ロック、あやしげな宗教音楽、そしてアメリカン・スタンダードへと変化を続けるディラン先生。裏切りと感じるファンも多いのですが、ディラン先生の変化を止めることはできません。

易には八卦×八卦で六十四の卦があるのですが、1番から64番までの並び方も実に興味深いものがあります。
たとえば、沢山咸(たくざんかん)の次は雷風恒(らいふうこう)。
八卦を人物に置き換えると、沢は少女、山は少年です。そして沢山咸の咸は感覚、感情の感。一目見た瞬間に恋に落ちるような若い男女の恋です。
そんな二人がゴールインして何十年も連れ添ってきた夫婦へ。少年はおじさん(雷)となり、少女はおばさん(風)になり、雷風恒となります。
易経の序卦伝には、夫婦の道は末永く続くものでなければないから、沢山咸の次は雷風恒と解説されています。
しかし、雷風恒の次は天山遯(てんざんとん)。遯は遁走の遁で退くという意味です。「物事は久しく同じところにとどまることはできないから、雷風恒の次は天山遯。

こんなふうに前の卦からの次の卦へと、すべてストーリー展開があります。そして六十四卦の最後の火水未済(かすいびせい)。未完ですから、再び一番目の乾為天(けんいてん)へと戻っていきます。

吉は凶となり、凶は吉となる。
じゃあ、易なんか立てても、どっちかわからないじゃないかと思ったものですが、とりあえず今の状態がどうなのかを探るヒントになります。そして、状況は必ず変わる。そんな風に人生を俯瞰して眺めるためにも易は役に立ちます。


立春の高知は、春の陽気に満ちていました。まさに南国土佐です。