翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

日常の選択は少なめに、旅の選択は多めに

人生の折り返し地点をとうに過ぎたというのに、毎日、バタバタしてばかり。ゆとりのある生活はいつになったら実現できるのか。

 

気疲れする原因の一つは、選択すべきことが多すぎるから。いわゆる「選択による疲労(Decision Fatigue)」です。

 

私のメインの仕事は、女性誌の原稿を書くこと。長く続く連載では、テーマの選定まで一任されています。読者が興味を持ちそうで、読んだ後に少しでも役に立ったと思ってもらえるテーマはなにか。週刊誌には毎週一個のテーマを決めないといけません。

それに加えて副業の日本語教師。学生ごとにどんな切り口の課題を与えたらいいのかを考えるのもエネルギーを消耗します。

 

だから、日常生活の雑事はほぼルーティン化しています。

毎日のトイレ掃除、机とテーブル、玄関のたたきの水拭き、洗濯。朝起きたら何も考えずにやることにしています。

本当は料理もルーティン化したいのですが、食材には旬があるし、食べたいもの日によって変わるのでそうもいきません。

 

そして、洋服も制服化したいのですが、これも無理。

スティーブ・ジョブズマーク・ザッカーバーグがいつも同じ服を着ていても「さすが」と思われるでしょうが、女性の場合はなかなかそういうわけにもいかないのでは。

 

昔の日本の50代ならおばあさんのはずなのですが、今はそこまで割り切ることができません。デパートのどの売り場で洋服を買えばいいのか迷ってばかり。あと数年もして、どっと老け込めば、すっぱり割り切って洋服の数も減らせるのかもしれないと期待しています。

 

家事や洋服の選択は疲れますが、旅の計画を立てる時は、たくさんの選択に心が躍ります。

まず、目的地の選定。

JALの「どこかにマイル」だとJAL任せですが、4つの選択肢の組み合わせを自分で選ぶことができますし、飛行機を使わない距離なら、一から自分で選べます。

 

今月は草津に行くことにしました。

関東に暮らして30年近くになるのに、草津に一度も行ったことがありません。なぜか箱根や伊豆方面に足が向かっていました。

 

このあたりで天下の名湯・草津に行ってみよう。

そう決めてみたものの、選択すべきことが山積みです。

 

まず宿泊。ロケーションは湯畑の近くがいいのか。高級旅館か、リーズナブルな宿か。

一つに決められないので、二泊することにしました。一泊目は湯畑近くの朝食だけの宿。二泊目は二食付きの旅館です。

 

宿が決まったら、交通手段。

草津は東京からは在来線で行くにはちょっと遠く、新幹線も不便。特急に乗っても、バスに乗り換えなくてはいけません。

高速バスは安くて便利ですが、風情に欠けます。悩んだ挙句、行きを高速バス、帰りを特急にしました。行きと帰りの時間帯を決めたものの、高速バスの予約に出遅れたため、早割料金は満席でした。

一泊目は夕食がついていないので、どこで食べるかも決めなくてはいけません。

ネットを検索して情報を集めているだけであっという間に時間が過ぎてしまうのですが、こうした選択こそが旅の醍醐味だと思います。せっかく非日常の体験をするのですから、迷いつつも自分で選びたい。そして、日常生活のやるべきことはできるだけルーティン化して選択を少なくする。そうしてバランスを取りながら、年月を重ねていきたいものです。

 

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 JALの「どこかにマイル」、3回目の旅は北九州。

下関では、ちょっと入りにくい居酒屋「三枡」へ潜入。吉田類の酒場放浪記の情報がなければ、足を踏み入れることはなかったでしょう。

  

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 下関といえば、ふぐ。地元では濁点がない「ふく」と呼ぶようです。天ぷらでいただきました。店を取り仕切るおかみさんのお嬢さんは東京に嫁いだとのことで、去り際にたいそうご丁寧なあいさつをいただきました。

旅先で「どこで食べようか」と迷うのは楽しいもの。ご常連だらけのディープな居酒屋にぜひチャレンジしたいものです。