フィンランドから短期留学にやってきたトーマス君が無事帰国しました。
ホストファミリーとして3週間預かったわけですが、帰国の日は寂しさとともに大きな安堵を感じます。
ホストファミリーによっては、門限を決めているところもあるそうですが、私は鍵を渡して帰宅時間は自由にしました。彼にとってあこがれの国である日本で目一杯楽しんでほしいから。
学校のアクティビティーでディズニーシーに行った日は現地解散となり、帰宅は11時近くになりました。遅くなるときはショートメールで連絡が入ってきます。
日本は安全な国だから、それほど心配することはないといっても、リスクはゼロではありません。
一番恐れたのは、地震です。万一、トーマス君だけが亡くなって自分が生き残ったら、トーマス君のご両親になんと説明すればいいのでしょう。
そんなことまで考えていると何もできなくなります。
ホストファミリーなら期間が限定されますが、子供を持つ人はなんて長期間にわたって大きなリスクを引き受けるのでしょう。怪我や病気を心配するだけでなく、社会に適応できるかどうかも心配しなくてはいけません。
親友の占い師の優春翠は、親子関係の相談を受けることが多かったのですが、こんなことを言っていました。
「人生のほとんどの悩みは、子供を持つことで生じる」
結婚はしたものの、子供を持たなかった私は、気楽な人生を送ってきました。日本の少子高齢化の責任の一端があると責められたら申し訳ないと謝るしかありませんが、子供を持った人は国のために親になったわけではないでしょう。
リスクを避けて、余計なことはなにもせずおだやかに暮らすのも一つの選択ですが、リスクを完全にゼロにすることはできません。
だったら、ある程度のリスクを覚悟して、やりたいことをやったほうがいいのでは。どうせ最後は死ぬんだし。人生の折り返し地点を過ぎてゴールが見えてくると、そんな大雑把な気分になってきました。
また機会があったら、留学生を預かってみます。
『ガキの使い』が大好きなトーマス君は、東京より大阪に行きたかったようです。近所の串カツ屋に連れて行き、「ソースの二度漬け禁止」を「大阪のストリクト・ルール」と説明しました。たこ焼きも注文。喜々としてたこ焼きを作っていました。