翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

一年中、サンタクロース

易者の年の区切りは冬至だし、四柱推命九星気学立春が一年のスタート。
それでも、世間一般の年末年始ムードに合わせて、この一年を振り返ってみます。

四半世紀以上、フリーランスで気ままに働いてきた私が一念発起して教壇に立つようになった年。
本当に大変でとまどうことばかり。「どうしてこんな無謀なことを始めたのだろう」と何度も後悔しました。

アキ・カウリスマキの映画を観て、レニングラードカウボーイズにハマり、ヨレ・マルヤランタに夢中になり、フィンランドとつながりたくて…と、軽薄な思いを積み重ねた結果です。
フィンランド人はシャイで外国人とはなかなか打ち解けないというので、フィンランドの日本オタクをターゲットにして日本語を教えれば、強制的に?親しくなれるはずだと考えました。

この夏から、教えていたメキシコ人学生のディエゴ。半年ほど日本に滞在し、先日、帰国しました。
(私が教えている作文のクラスは選択科目なので、希望者が不定期に入り、去っていきます。このことも、大きなプレッシャーとなって私にのしかかっています)

ディエゴは宮崎アニメと村上春樹で日本に興味を抱き、家族全員がホンダの車に乗っているという大の日本好き。
ある日、三鷹ジブリ美術館に行くというので、チケットを持っているのかと聞きました。あそこは完全予約制です。予想通り、手ぶらで行こうとしていたので、チケットの予約を手伝ってあげたことから親しくなりました。

ディエゴはボブ・ディランも好きだというので、『Romance In Durango』のスペイン語の部分を解説してもらったこともあります。
Durangoはメキシコ北部の州の名前です。ダンスやお祭り騒ぎを意味するFandangoと韻を踏むためにディランが適当に選んだ地名かもしれませんが、アメリカ人にとってのメキシコのイメージを盛り込んだ楽しい曲です。

ある日、ディエゴが私のクラスに友達を連れて来ました。
なんと、フィンランド人! ついにフィンランド人に日本語を教えることになったのです。
ディアゴが福の神に見えました。でも、ディアゴは私にどれほど大きな喜びをもたらしたのか、まったく意識していませんでした。

「あらゆる運は、人からもたらされる」
例外は健康運。風水の黒門先生が「あれこれ開運法を実践したとしても、誰にも会わず、ひきこもり生活を送っていたら、上がるのは健康運だけ」とよくおっしゃっていました。

思えば、日本語学校で働くようになったのも、フィンランド人学生のヘンリク君のホームステイを引き受けたのがきっかけです。
ヘンリク君をホームステイするきっかけは、カウチサーフィン。ホームステイ先探しに苦労していた学校の担当者が、カウチサーフィンで外国人旅行者をホストし、高評価の日本人を探していたからです。
私が好意的なレファレンスを集めていたのは、性格がよくて常識のあるカウチサーファーを注意深く選んできたから。とんでもない旅行者をホストしたひどい体験談もよく耳にします。

日本語学校と並行して、ウラナイ・トナカイで易や九星気学の講座も開くようになりましたが、これは天海玉紀さんや夏瀬杏子さんがもたらしてくれた幸運です。今年の夏には、maruさんのカレーとジョイントした風水講座もできました。
さかのぼれば、阿佐ヶ谷七夕祭りの占いイベントを当時の中野トナカイとつないでくださった日下ゆにさん、スタート時の会場だった美容院のオーナー、そしてタロットバー・アーサのマユーさん、そして参加してくださった多くの方々のおかげです。

人から運をもらってばかりの一年でしたが、来年は私が人に運をもたらす存在になりたいものです。
サンタクロースはクリスマスだけでなく、一年中出現したほうがずっと楽しいし。


12月の吉方取りで訪れた御宿は、メキシコとゆかりのある地です。
1609年、スペイン領フィリピン総督ドン・ロドリゴの帆船がメキシコに向かう途中、嵐に遭遇し、御宿沖で座礁。これを見た御宿の人たちは、異国の遭難者たちを救出し、献身的に介抱したそうです。
海岸沿いの道は、どこかメキシコ風です。