翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

帰るべき家がわからない

NHKラジオ英会話、来月からは講師の遠山顕先生が急病のため、再放送になるそうです。
日本語学校で教えるようになって「急に病気になったらどうしよう」と不安になることがよくあります。生身の人間を相手にする仕事は、プレッシャーが大きく「なんでこんなことを始めたのか」と後悔してばかりですが、続けられるうちには続けようと思っています。

ラジオ英会話の今月の歌でサイモン&ガーファンクルの"Homeward Bound(早く家に帰りたい)"が取り上げられました。
「フォークミュージックに深い洞察とメッセージを込めたのがボブ・ディランなら、ティーンエージャー向きのポップスの世界を超越したのがサイモン&ガーファンクル」という遠山先生の説明がありました。

英語の勉強のしやすさでは、ボブ・ディランよりサイモン&ガーファンクルでしょう。
"Homeward Bound"でbound(何々行き)、destination(目的地)という単語を覚えました。
デュオでデビューしたものの商業的にはぱっとせず、ポール・サイモンは失意のうちにイギリスにわたりソロ活動を始めました。「詩人のワンマンバンド(a poet and a one-man band)」として各地を巡業し、駅で電車を待ちながら書いた曲です。

Homewarad bound,I wish I was
これから乗る列車が家に向かっているのならいいのに、実際はそうではない。
なるほど、仮定法とはこういうものかと実感しました。
(正確な英文法では、I wish I wereとすべきですが、口語的にwasとしています。)
同じくサイモン&ガーファンクルの"I am a rock"の一節、
If I never loved, I never would have cried.
これも仮定法の例文として覚えました。

久しぶりにサイモン&ガーファンクルを耳にして、なつかしかったけれど、やはり若者の曲だと思いました。
誰かが自分を待っている温かい家。そりゃ帰りたくなりますが、人生も後半になると、そんな家は世界のどこにもありません。そして自分がどこに向かっているのかわからなくなり、途方に暮れます。

そこで、ボブ・ディラン
ライク・ア・ローリング・ストーンの一節、"No direction home"をタイトルにしたドキュメンタリーを無性に観たくなりました。

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム [DVD]

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自分が本来いるべき家に帰りたいけれど、どっちに進んでいいのかわからない迷いの日々。それが生きるということ…なんてディラン先生が聞いたら怒りそうな勝手な解釈をしてDVDを見ていると、その場のノリで好き放題の発言が飛び出してきます。「若い頃はウエストポイント士官学校に入りたかった」、そんなことないだろと突っ込みたくなります。いや、一瞬ならそう思ったのかも。

転がる石として、帰るべき家がわからなくても、それはそれで大丈夫。ディラン先生だってわかっていないだろうから。


先日の島根旅行で訪れた有福温泉の最寄り駅は山陰本線の江津。廃止が決まった三江線の始発駅です。