翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

くじ引きで決まる人生

阪神タイガースが好きで、ゲームの勝敗より選手の人生に興味があります。だからドラフト会議と、戦力外通告のテレビ番組には釘付けになります。

昨年のドラフト会議では、明大の高山俊を引き当てました。
しかし、くじを引いた瞬間、ヤクルトの真中監督がガッツポーズ。負けず嫌いの金本監督は、自分のくじを確かめることなくあきらめました。
その後、当たりくじを引いたのは金本監督であることがわかり、高山は阪神に入団して大活躍。

そんなおもしろいことがあったのに、今年は…。

ドラフト1位で白鴎大の大山悠を指名しましたが、これが阪神タイガースファンから、ブーイングの嵐。桜美林大の佐々木千隼を指名していれば、競合なしで交渉権が獲得できたのに!

いろいろと思うところはありますが、成功か失敗か、結果が出るのは数年先です。
将来を嘱望された選手が鳴かず飛ばずで終わったり、意外な選手が活躍するのがスポーツの世界です。イチローも金本監督もドラフト4位で指名されています。

ドラフトについて、「人生をくじで決められるなんて」という批判もあります。
でも、占い師的視点からすれば、人生はすべてくじのようなもの。どの時代のどの国に、どんな両親のもとに、性別はどちらかで生まれるかは、自分で決められません。努力である程度カバーできるといっても、持って生まれた素質は、なかなか変えられません。

「人は平等」は美しい理念ですが、現実は決してそうでないと、ドラフト会議で再確認します。
恵まれた身体能力と野球ができる環境。指導者との巡り会い。さまざまな偶然が重なり合って、プロ球団の指名を待つポジションまで到達します。
番組では、せっかく取材したのにドラフトで指名されない選手もいましたが、そこまで注目されるレベルに到達すること自体がすごいことです。

平凡な人生も、ちょっとしたきっかけで変化するのは野球選手と同じです。
「あの日、あの人と会った」「たまたま手にした情報」によって人生ががらりと変わることはよくあります。

ドラフトで意中の球団を公言して、ストレートに入団できる幸運な選手もいますが、運を天に任せて「指名してくれる球団ならどこでもOK」という選手のほうが大成するような気がします。
たとえば、田中将大選手。楽天が指名権を獲得してちょっとかわいそうな気がしましたが、見事な活躍をして、ニューヨーク・ヤンキースへ。

自分の目指す通りになれば素敵だが、そうならないのも、それはそれでまたよいものだ、という態度さえ持ち続けていられれば、あなたの人生は大丈夫です。

なまけ者のさとり方

なまけ者のさとり方

プロスポーツの世界には、濃密な人生が凝縮されているからこそ、観客を魅了します。


札幌ドーム見学ツアーでは、ブルペンにも入れます。
ブルペン(bullpen)は、「牛を囲う場所」という意味。闘牛場に送られる牛を投手に見立てたという説もあります。プロスポーツの世界は、華やかで残酷です。