翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

windfall(思いがけない収入)は危険

外国語を学ぶとき、思い入れのある単語が出てくると興奮します。日本語を学ぶ外国人学生も「この単語は、あのアニメの主題歌で知った」とうれしそうに言うことがあります。

先週、NHKラジオの実践ビジネス英語を聞いていたら、私もそんな体験をしました。
その単語は"windfall"。「風で落ちた果物、思いがけない収入、棚ぼた」といった意味です。

私がこの単語を初めて耳にしたのは、イギリスのストラトフォード・アポン・エイボンシェイクスピアの故郷です。宿泊したB&Bが「ウィンドフォール」という名前でした。
奥さんが言うには「ある日、思いがけない遺産が手に入ったから、ここを買ってB&Bを開業。だから名前はウィンドフォールにしました」。

こぢんまりとした居心地のいい宿でした。そして泊まるだけで自分まで幸運に恵まれるのではないかという気分になれました。

実践ビジネス英語では、「宝くじや遺産で大金を手にしても、すぐに使い果たしてしまう人が多いから、"big windfall"を手にしても、クレイジーな消費はすべきではない」という少し少しネガティブな文脈で使われていました。
kamomeskyさんの書き起こし。
http://d.hatena.ne.jp/kamomesky/20160907

たしかに、億単位のお金を貯めるのは大変ですが、家や高級車、豪華な旅行やブランド品に散財すればあっという間になくなってしまいます。
自分が額に汗して貯めたお金なら、軽薄な散財はしませんが、棚ぼたで手にしたお金は簡単に出て行くでしょう。
その点、ストラトフォード・アポン・エイボンB&Bのオーナーは賢明な選択をしました。日々の糧を得るための不動産取得に遺産を使ったのですから。そして、ゲストを迎え朝食を出し、部屋を掃除するといった地道な労働があり、左内輪で暮らしているわけではありません。

長年、女性誌でお金の記事に携わってきて、思いがけない大金を手にして不幸になった話もよく書きました。宝くじに当たって自己破産といったたぐいです。

そして身内でも、子供のいない伯母二人が続けて亡くなったため、遺産を巡って骨肉の争いが勃発。まんまと遺産を手にした家は、本人たちは満足しているのかもしれませんが、傍目にはとても幸運に思えません。いくばくかのお金を手にするために、親戚一同から孤立し、精神的な安定を失うことは、対価に値するとは思えません。


カウチサーフィンで泊めてもらったヘルシンキ郊外の家の庭先で。