2泊3日で裏磐梯に遊びに行きました。
住んでいる区が北塩原村と保養地協定を結んでおり、東日本大震災後は応援ツアーが企画され、2回参加しました。
その時、バスの車窓からふと見えた「猫魔ホテル」。猫の魔物? なんともあやしげで魅惑的な名前です。
いつか猫魔ホテルに泊まりたいと思いつつ、5年後にようやく実現しました。
バブル期に約300億円を投じて建設された猫魔ホテル。地元の人の話によると、政治の力で建築規制をかいくぐり、巨大なホテルとなったそうです。
バブル崩壊により経営が行き詰まり、経営主体は猫の目のようにくるくる変わります。星野リゾートが手を上げた時期もありますが、現在はカタログ通販のベルーナの関連会社の運営となり名称も「裏磐梯レイクリゾート」となっています。
猫魔ケ岳には猫の魔物がいて、手下の猫を集めては悪さをしたという昔話がありますが、本当に怖いのは魔物より人間の欲かもしれません。
連泊した感想は、よくいえばゆったりした作り、悪くいえば無駄に広い。桧原湖を見渡せるゴージャスなラウンジは本来ならお茶を出すのでしょうが、無料開放されていました。
五色沼を散策したり、レトロなバスに乗って桧原湖を一周するなど裏磐梯を満喫しましたが、最も印象的だったのが裏磐梯ビジターセンターの「わくわく散歩」。磐梯山や動植物の話を聞きながら、毘沙門沼周辺を散策します。不定期開催のようですが、訪れた日は運よくお願いすることができました。
出発する直前、ビジターセンターに「熊が出た」と駆け込んでくる人が。「クマはしょっちゅう出ています」とガイド氏は平然としています。
気分は『ブラタモリ』。先日、裏磐梯の回がありましたが、地元の人からの評価も高いようで、「ブラタモリで紹介された」というフレーズをよく聞きました。
森の木々に沼や湖、多彩な植物と動物。豊かな自然は、1888(明治21)年の磐梯山噴火によるものです。日本最大の火山災害であり、477名の方が亡くなりましたが、山から崩れてきた岩や土が覆いかぶさり、ほとんどの遺体は地中に眠ったままです。「今、歩いているこの下にも遺体があるかもしれません」とガイド氏。
裏磐梯レイクリゾートでは、館内で夏祭りのイベントが開催されていて、「会津磐梯山は宝の山よ〜」の盆踊りにも参加。
磐梯山は知れば知るほど奥が深い。再び訪れようと思いつつ、東京に戻りました。