翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

欲にまみれて生きつつ、対岸に渡る

四柱推命では、私は偏財格。稼ぐことを常に考えています。
天海玉紀さんの影響で算命学もおもしろいそうだと、ウラナイトナカイで開催された「十大主星〜禄存星・司禄星」の会に行ってみました。算命学での禄は、四柱推命の財です。

財星のパターンは二つに分かれます。
正財(せいざい)・司禄は着実にお金を手にするタイプ。
それに対して、偏財(へんざい)・禄存は、コツコツ貯めるよりも一山当てたい。会社勤めには向かないし、公務員なんてとても無理です。
20代の私は四柱推命も算命学も無縁でしたが、約2年間の会社勤めを経て、月給とか時給とか、時間単位でお金をもらう仕事に自分は向いていないとうすうす気が付きました。自分の才覚で稼げるフリーランスのライターとなったのは結果的に成功でした。

「十大主星〜禄存星・司禄星」の会では、司禄の雨森亜子さんがメインゲスト。
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同じ財星でも、なんでもありの雑食の禄存ときっちりした司禄の違いが浮き彫りにされました。

そして、私にとって新鮮だったのは、官(車騎・牽牛)の人々。「え、そんな美しい生き方があるの」と驚きました。たとえば、女戦士の甘夏さん。
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十大主星の会は、自分が持っている星の会に出るのもいいのですが、まったく持っていない星の会も刺激的でおもしろいんじゃないかと思いました。

たとえば、須賀敦子
海外とつながりを持つ日本女性のロールモデルとしてあこがれてきました。
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算命学で見ると私とはまったく違います。
財も官もまったくなくて、鳳閣星と調舒星、龍高星の持ち主。玉紀さんの言葉を借りれば、自然体であり反逆児、そして宇宙人。なんと過激な組み合わせ!

関西のお嬢様として生まれ育ち、聖心女子大学へ進学。既存のレールを拒否してヨーロッパへ留学。1929年生まれの日本女性が海外で学ぶのはは、現在から想像もつかないほど大変なことだったはずですが、須賀敦子にとっては必然の生き方だったのでしょう。
ヨーロッパでは「カトリック左派」の思想運動に参加し、帰国後も自らトラックを運転して貧しい人のために尽くした須賀敦子のエピソード。
ヴェネチアの宿』の後書きに関川夏央がこう書いています。

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

 晩年のある時期、私は朝日新聞の書評委員会で彼女と同席していた。帰りには「黒塗りの車」つまりハイヤーがひとりひとりに出るのだが、彼女はそれに乗ることをいやがった。「ああいうものに平気で乗るセンスとずっと戦ってきたのよね」と私にいった。

私が持っていない調舒星と龍高星の世界です。
バブル期に広告・編集業界で働いていた私は、ハイヤーに乗って取材に向かうこともあり、経費が潤沢な編集部の仕事をしていた時はタクシーにも乗り放題。次から次へと仕事が重なり、移動中もせわしなく携帯で連絡を取っていた私に運転手さんが「女なのに、そんなに仕事するなんてすごいね」と一言。賞賛というより、どこかあきれたニュアンスが込められていました。忙しいんだからタクシーに乗るのも当然だと思っていた私は目が覚める思いがしました。そして、須賀敦子がこういう生き方を嫌悪していたのだと知り愕然とします。
自分の持っている星と共通の作家やアーティストの作品に共感する一方で、持っていない星の一面に触れるのはとても刺激的です。

天海玉紀先生の十大主星シリーズは、自分が持っている星を最大限に活用しつつ、持っていない星の姿勢からも学べる最高の機会です。残念ながらシリーズはいったんお休みになるそうですが、さらにパワーアップした講座に期待しています。


久里浜浦賀を結ぶ渡し船。船賃は200円。対岸を行ったり来たりすることは貴重な体験です。