翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

損して已(や)まざれば必ず益す

損得より好き嫌いで選ぶ。
これまで失敗したかなと思ったこともあるけれど、最終的には退屈しないおもしろい人生になりました。

東洋占術の勉強を始めたのは、損得のように見えて、好きだったから。
陰陽五行から展開される世界の広さと深さにただただ圧倒されて、占い学校の東洋占術講座はほとんど受けました。四柱推命や易、九星気学などは同じ占術でも流派がいろいろあるので、先生を替えて受けたりもしました。

雑誌ライターとしては、占い原稿はまさに「得」です。
グルメ記事でラーメン屋10店巡って取材して見開き2ページなら、原稿料は2ページ分だけ。でも九星気学で本命星ごとに1ページなら9ページをだーっと書いて9ページ分の原稿料がもらえます。
有名占い師の先生と顔見知りになり、ある程度こっちがわかっていることが伝われば、いちいち取材することなく、まるまる原稿を任されることもよくあります。取材に行くこともなく、ただ書くだけですから、効率がとてもいいのです。

金の亡者としてだけ占い原稿を書きまくったわけではありません。学んだことを原稿という形でまとめていくのがとても楽しかったのです。
特に、易の講座で陰陽五行の基礎を叩きこまれたことで九星気学四柱推命がぐっとおもしろくなりました。

易の六十四卦に、山沢損(さんたくそん)と風雷益(ふうらいえき)があります。
損と益で正反対のようでいて、この二つの卦はつながって、循環しています。
易経』序卦伝には「損して已(や)まざれば必ず益す」とあります。
損ばかりが続くことはない、必ず利益が出る。
その反対だってあります。儲けっぱなしということはない、必ず損をする。

現実には、損ばかりして自己破産する場合もあるわけですが、人生や社会を俯瞰してみれば、損と益は循環しているのかもしれません。

だから私は宝くじを買いません。万一、高額当せんなんかしたら、どんな損が巡ってくるか恐ろしいから。親族の遺産もできるだけもらわないようにしています。

そして、フリーランスのライターとなって四半世紀以上、しっかりと「益」を手にしてきたので、これからは少々「損」の人生でもいいんじゃないかと考えています。扶養家族もいない50代が、お金ばかり追い求めるのは見苦しいし。

「そんなのんきなことを言えるのも、逃げ切り世代だからじゃないか」と若い人からは批判されそうですが、恵まれた世代だからこそ、もうあまり欲張らず、損も淡々と受け入れる、むしろ自ら損するような生き方にシフトしています。カウチサーフィン、フィンランド人学生のホームステイ受け入れ、日本語教師と、要するエネルギーと金銭的見返りが釣り合わないことばかり好んでやっているのはそのためです。でも、長生きすればいずれ「益」に転じて、儲かってしまうかも…。精神的な意味での「益」であれば、すでに十分すぎるほど受け取っています。


昨年の6月に訪れた鎌倉の長谷寺にて。