翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

健忘恐怖症

先日、脳のMRI検査を受けました。
酒を飲んでばかりいると脳が萎縮するというので不安になったからです。日本語学校で教え始めたものの、脳の機能が衰えたなら、進退を考えなければなりませんし。

費用は3万円足らず。症状が出ていないので全額自己負担です。
検査を受けた数日後、病院から電話がかかってきました。
やけに深刻なトーンで、内頚動脈解離(ないけいどうみゃくかいり)の疑いがあると告げられました。
その日のうちに専門医の話が聞けるというので、たまたま予定のない日だったので行ってみました。

「頭痛があったり、手が動かなくなっていませんか?」と聞かれても、思い当たりません。
「そんなことより、物覚えが悪くなったので脳の萎縮が心配なんです」というと、医師はあきれ顔で、海馬も大脳辺縁系もまったく萎縮していない、問題なのは内頚動脈だと強調します。

ある日突然、脳の疾患で命を落とすのなら、それが寿命だからしかたがないと思います。今のところ脳が萎縮していないことがわかり、私としては放っておきたかったのですが、医師の勧めで造影剤を使った画像検査をすることになりました。病気の可能性があるので保険適用となり、自己負担は9000円ほどでした。

すぐに検査となるわけでなく、まず血液検査をして、検査の予約を取り、さらに結果を聞きに行く日の予約を取らなくてはいけません。大病院の中をぐるぐる回るのは面倒くさく、できるだけ病院に関わりたくなかったのに、脳のMRI検査なんかをした自分を呪いたくなりました。

検査の結果、内頚動脈乖離は見つかったのですが、3ミリ程度。医師によると、破裂する確率は何万分の1だそうで、血圧が220ぐらいに上がっても、まず大丈夫だろうといいます。

ようやく医師が認知症の話をしてくれました。
海馬と側頭葉が萎縮すると、記憶がおぼつかなくなったり、感情のコントロールができなくなるそうです。
最初のサインとしては、服装の乱れ。自分が他人からどう見られるかを考えなくなるからです。そして、物忘れがひどくなり、社会性が失われていきます。
「本人が心配になって病院に来ることはなく、家族が連れてきます。海馬と側頭葉が萎縮すると、自分が認知症かもしれないなんて考えられなくなりますから」と医師。
そして、脳に異常がないのに「認知症になるんじゃないか」とおびえる私のような患者には、「健忘恐怖症」という病名もあるそうです。

そういえば、易を一緒に勉強している夏瀬杏子先生の本業は医療系で、「認知症が心配だからMRIを受ける」と話したところ「自分から検査を受けようという人は、まず認知症じゃない」と断言していました。


自分の脳の中がこんなふうになっているんだ! そんな驚きがあっただけでも、検査を受けた甲斐があったというもの。