この2週間ほど忙殺されていたのが、風水本のゴーストライターです。
出版不況が叫ばれて久しい昨今、書籍の注文も減っているのですが、書店ではなくコンビニで売る本の需要はけっこうあるようです。
コンビニ本は、とにかく読みやすさが求められます。そのあたりが慣れていなくて、編集者からごっそり赤を入れられました。しかも締め切りはレイアウト(文字数)が提示されてから2週間。一般書籍より文字が少ないとしても、100ページ以上を2週間で書くのはかなりヘビーです。しかもゴールデンウィークも2週間のうちに入れられていましたから、休みなしで書き続ける羽目になりました。
本のテーマは「運気を上げる風水」なので、運気アップに直結するノウハウを書かなくてはいけません。「トイレは毎日掃除しろ」「玄関のたたきを水拭きしろ」など掃除のモチベーションを上げる項目が大半です。
こういう本は、正統派風水を研究している方々から「風水の本来の意味を歪曲している」と批判されがちです。
かつて、占い雑誌の編集部で台湾の風水老師から正統派風水を学んだという人と同席したことがあります。お墓をどこに作るかという「陰宅風水」について滔々と語られても、読者の大半を占める若い女性に受けるとは到底思えません。
コンビニで買う風水本は、日常必需品を買うついでに興味を持ってカゴに入れる人がほとんどでしょう。こむずかしい風水理論よりも、明日からやってみようと思わせるようなノウハウが求められています。
邪道であろうとも、ぐちゃぐちゃの部屋よりもきれいに掃除された部屋で暮らしたほうが確実に運気は好転します。その上で風水に興味を持てば、本格的に学ぶのもいいでしょう。
日本語を学ぶ外国人の動機はさまざまです。漫画やアニメで興味を持ったというのも、それはそれで立派な動機です。そこから大きな発展があるかもしれません。