翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

ロバート・デニーロに学ぶ老後の生き方

ロバート・デニーロといえば、私にとっては「ゴッドファーザーpart2」。
反社会的なイメージが強かったのに、高齢者の役をうまく演じているのにびっくりしたのが「みんな元気」です。

この映画を観たのは、小津安二郎の「東京物語」のオマージュだから。
妻に先立たれた高齢の父が子供たちを訪ねるストーリーです。
アメリカ版では、「東京物語」のような原節子演じる完璧な嫁は出てきません。子供たちは父を気遣いながらも自分たちの生活を維持するのに必死なのは「東京物語」と同じです。
ロバート・デニーロはエグゼクティブの娘の働く姿をフィルムのカメラに収めようとしたり、アメリカ国内の時差を忘れて長距離バスに乗り遅れるなど、時代からずれた不器用な高齢者を演じていました。

そして次に観たのが「マイ・インターン」。

同じ男やもめでも「みんな元気」よりぐっと洗練された役柄です。

ロバート・デニーロが演じるベンは電話帳の印刷会社で40年間働いてきました。定年退職して悠々自適に暮らしています。
ひまができたので旅行や趣味を手あたり次第やってみます。会社をずる休みしているみたいでわくわくしたのですが、そのうち飽きてきました。そこでアン・ハサウェイ演じるジュールズが経営するアパレルの通販会社のシニアインターン(65歳以上)に応募するというストーリーです。
「毎日行くところがあるのはすばらしい」というベンの台詞。高齢者にとって社会とつながっている感覚はとても大切なものなのでしょう。

同じタイミングで採用された若者のインターンに前職を聞かれ「電話帳? ウエブで電話番号を調べないの?」と言われても嫌な顔ひとつしないベン。
時代の変化を受け入れ、決して偉そうにしない。そして、年少者に的確なアドバイスを与える。これからの高齢者のあるべき姿として、学ぶことの多かった映画です。