翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

士林夜市で流血の惨事

嘉儀を満喫して一泊し、台北に戻って最後の夜。
気分が高揚して、おとなしく寝る気になれません。台湾の夜といえば夜市、台北最大の士林夜市(スーリンイエスー)に繰り出すことにしました。

今思えば、自重するべきでした。というのも、ホテルで乾杯を重ねて酩酊状態だったから。

おなかはいっぱいだったので、屋台街(美食區)は見て回るだけで、雑貨店街や媽祖を祀る士林慈誠宮にも足を伸ばしました。

歩き疲れてそろそろ帰ろうかと思い始めたら、体が宙を舞いました。明るい場所から少し離れたところで、何かにつまづき、気が付いたら顔面からコンクリートに倒れこんでいたのです。
顔に手をやると、手のひらが赤く染まり、それを見ただけで頭がくらくらしました。

酔っているせいか、痛みはあまり感じず、急いでタクシーを拾ってホテルに帰りました。血まみれの顔にホテルマンがぎょっとしていました。

翌朝、前歯の一本の下の部分が欠けていると指摘されました。
うわー! 痛みがないので自分では気が付かなかったのです。
帰りの便は午後の早い便だったので、とにかく日本に帰国して病院に行くことに。成田に到着して、かかりつけの歯科医に電話して翌日の予約を取りました。

歯科医には定期的に通い、歯科衛生士に歯のクリーニングをしてもらっています。
数年に一回、レントゲンを撮って歯科医がチェックするのですが、台湾旅行の数日前に診察を受けたばかりでした。
まさかこんな短期間で再びレントゲンを撮ることになろうとは。

歯の欠けた部分があれば接着することもできるそうですが、士林夜市の片隅に転がっているので、人工的に作るしかありません。

保険が使えるのはプラスチックの歯に金属の土台。自費だとセラミック。
プラスチック自体は白くても、黒くなりがちだし、金属の土台は柔軟性がなくて無理な力がかかりやすい。前歯だし、自費にしたほうがいいんじゃないかと説明されました。

人相では、口は財運を示します。人間、食べていくにはお金が必要ですから。
医者嫌いの私が歯科だけは定期的に通っているのは金運を下げないためです。ここで目先のお金をけちって保険治療にすべきではないと判断して、自費を選びました。

中の神経がどれだけ残っているかで金額は変わるそうですが、提示されたのは16〜22万円。
歯1本にしては、かなりの額のように思えますが、迷っている場合ではありません。

そして歯科治療よりも気になっていたのがウラナイ・トナカイの講座です。
帰国2日後に、天海玉紀先生とコラボで「あなたの2016年開運指南」を開講することになっていたのです。

開運指南の講師が旅先で転んで顔に傷があるって、受講生はなんと思うでしょうか。
しかし、キャンセルなどもってのほか。運気の流れを読むはずの占い師が、自分の予定を変更して人に迷惑をかけるなんて占い師失格です。

たしかに私は転びました。
でも、今回の台湾旅行に行くべきではなかったかというと、行ってよかったと思います。このタイミングじゃないと陳君には出会えなかったかもしれないし。

どこにも出かけず、家にひきこもっていても怪我はします。それに私は「人にはそれぞれ運の器がある」と考えており、私の器はそれほど大きくないから、ずっと幸運続きはありえません。宝くじで何億円も当たったら、たちまち身を持ち崩すタイプです。かといって、それほど運が悪いわけでもなく、台湾で事故に遭ってそのまま現地で入院という深刻な事態は免れました。

多少のトラブルはあっても、ウラナイ・トナカイで予定通り講座は開講。
参加者の方々に恵まれ、玉紀先生との掛け合いもスムーズで、とても楽しい時間でした。

今回の台湾旅行の惨事はしばらくたてば、笑い話になる、いや、もう笑い話になっています。


士林夜市の美食區。