「七人の侍」の話を続けます。
後半の合戦シーンより、前半の七人が集結するプロセスが好きです。
「野武士の略奪から農民を守る」プロジェクトは、名誉にもお金にもなりません。当然ながら「自分の志はもっと高い」と断る浪人もいます。参加するのは、志村喬が扮するリーダー、勘兵衛の腕前と人柄に惚れた男たちです。
それぞれ個性的ですが、茶店で代金替わりに薪割りをしているところをスカウトされた平八がいい味を出しています。
勘兵衛は平八をこう評します。
「腕はまず…中の下。しかし正直な面白い男でな。
この男と話していると気がひらける。苦しいときには重宝だと思うが」
「気がひらける」、いかにも運気が上がり、進むべき道がひらけていくようなイメージです。
日本語版の「七人の侍」はセリフが聞き取りにくく、海外で受けたのは字幕があったからだなんて言われていますが、このサイトに、「七人の侍」のセリフの英語字幕の比較が紹介されています。
http://members3.jcom.home.ne.jp/gorobei/
上記の「この男と話していると気が開ける。苦しいときには重宝だと思うが」はこんな訳になっています。
Something about him brigntens one's spirits.
He'll be a treasure in hard times.
占いに関わる者にとっては、「気がひらける」は絶対条件でしょう。占い師に会って気がふさがれてしまっては、何にもなりません。
年を取ると能力が衰え、仕事の腕も落ちます。性格も偏屈になりがちです。
そうした傾向を少しでも食い止め、「気がひらける」と思われるような老婆になるための修行法を模索しています。