翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ポケモンが好き、ヨレ様が好き

フィンランド人のヘンリク君の3週間のホームステイ。
あまり干渉しないほうがいいのはわかっているのですが、どうしてもヘンリク君中心の生活になってしまいます。

日本語の宿題を手伝おうとしても「簡単だから大丈夫」と断られます。
じゃあ日本語で会話するかといっても、語彙が限られているため、話がつまらない。やはり会話は英語になってしまいます。

数日たつうちに、お互いに化けの皮が剥がれてきて、よそ行きの顔ではなくなりました。

まずヘンリク君。
「18歳でこれほどの濃い内容を書くとは」と私をうならせた英文メールは、お母さんに手伝ってもらったそうです。道理で、いかにも優等生という内容でした。

オタクでもないのに、なぜ日本語?という疑問も解けました。
小学生の頃、ポケモンに夢中になり、何百時間も遊んだそうです。メールにはお母さんの検閲が入ったのか、ポケモンのポの字もありませんでした。
さすがに18歳の今はポケモンは卒業しているけれど、日本=おもしろい国というイメージがすっかり定着したのでしょう。

そして私。
レニングラードカウボーイズには触れないつもりでした。
というのも、フィンランド人のユハナ君がサングラスをかけているのを見て、「髪型をリーゼントにしたらレニングラードカウボーイズにそっくり!」と口走ってしまい、いやそうな顔をされたからです。

29歳のユハナ君にとっては、過去の遺物のようなバンドですが、約10歳下のヘンリク君にとっては流行が一回りして新鮮に映るのか、「なかなかクールだね」という評価。YouTubeでヨレ・マルヤランタ(ヨレ様)の短いインタビューを見つけ、ヘンリク君に内容を要約してもらいました。

そんな折、セイナヨキの日本人の友人から「ヨレ様が地元のレストランのザリガニパーティに来る」という知らせが届きました。

http://www.uppalankartano.fi/garden-live/rapujuhlat/


スウェーデンフィンランドでは8月にザリガニやチーズ、きのこのパイを食べながらお酒を飲むパーティが年中行事になっているようです。パーティの余興としてヨレ様が歌うのでしょう。日本でいえば「あの人は今」的な演歌歌手の地方巡業?

ヘンリク君にもパーティの告知ページを見せました。
「このパーティに行けば、ヨレ・マルヤランタと話もできるかもしれないと友達はいうけれど、私が好きなのはレニングラードカウボーイズ時代の彼だし、何を話していいかわからない」
するとヘンリク君。
「だったら、僕がこのザリガニパーティに行って、サインをもらってきてあげるよ! 僕は車を運転したくてたまらないし、きっと楽しいドライブになるはずだ」

ヘルシンキからセイナヨキまで、かなり速い列車で3時間ぐらいかかった記憶があります。免許を取ったばかりのヘンリク君が車で行くのはかなり大変です。
それに、ヘンリク君のご両親が「日本でいったい何を吹き込まれてきたんだ」と思うんじゃないでしょうか。

私がヨレ様にハマったのは3年前の夏です。
経緯はこちらに。

d.hatena.ne.jp

まさか3年後に、フィンランドの若者がヨレ様のサインをもらおうとしてくれるとは。
その言葉だけで十分で、夢のような展開です。

ヘンリク君がポケモンにハマり、日本語の勉強をスタート。通っているのは地域の講座で、生徒の年齢も背景もさまざま。ヘンリク君の高校で日本語を学んでいるのは、彼一人だそうです。
「サッカーが好きで5歳から続けているし、ドイツ語もかなり勉強したけど、どちらも両親に勧められて始めた。日本語だけは、自分からやりたいと思ったことなんだ」

そして私は巨大リーゼントにサングラス、ソ連の軍服コスチュームというフィンランドのバンドに急にハマり、カウチサーフィンを始めてフィンランド人の友達を作りました。
四柱推命では、私は多少の五行のアンバランスはやり過ごせる頑丈な命式なのですが、2012年壬辰年は水行が大過し、足元から崩れそうな年でした。ヨレ様とフィンランドにハマることでかろうじてやり過ごせたような気がします。

占い学校の四柱推命の講座で、「偏りこそ、個性」と習いました。
陰陽五行に基づく四柱推命では、木火土金水の五行のバランスを重視しますが、「木・火・土・金はあるけれど、水がまったくない」「火行が強くて燃え上がる」のような偏った命式の人がたくさんいます。たまに五行すべて揃っているという人もいますが、流年や大運によってバランスは崩れます。

過剰な五行を持て余し、足りない五行を渇望する。
それは苦しかったり人から見たら滑稽なことかもしれませんが、とびきり楽しい展開をもたらすこともあります。


甚平を着てくつろぐヘンリク君。