翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

人間も猫も名付けはむずかしい

ゴッドファーザー』part1のオープニングは、コルレオーネ家の末娘コニーの披露宴ですが、花嫁の父ヴィトーは猫を抱いて次々と寄せられる頼みごとを処理しています。
古い友人が自分の娘のための復讐を求め、対価はちゃんと支払うと言います。しかし、ヴィトーは自分が動くのは、金ではなく友情や信頼のためだと言明します。

「ただより高い物はない」といいますが、マフィアの底力を強く印象付けるシーンです。友情や信頼はお金に換えられません。聡明で仁義に厚い人ならなおさらのことで、組織を強くするのはそういった人材で、お金で寝返るようなチンピラは必要じゃないのです。

カトリックのイタリア系にとって、ゴッドファーザーあるいはゴッドマザーは特別な存在。名付け親であると同時に親に次ぐ人生の後見人です。
だから『ゴッドファーザー』part3でコニーが家族のために自分のゴッドファーザーを毒殺するのを見てぎょっとしました。

名前について意識するようになったのは、ディラン先生の影響です。
本名ロバート・ジママンがボブ・ディランと名乗るようになったのは、ゴッドファーザーや占い師による改名ではなく、自分で名前を見つけたからです。

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私の名前は両親によって命名されました。
船乗りだった父が私が生まれた時に乗船していた船から取った名で、最初に母が提案して、父は即座に賛成したそうです。だから私にはゴッドファーザーはいません。
中学生の頃、姓名判断の本を見て字画を数えて凶だったので、父に「私の名前って運が悪いらしいよ」と言ったことがあります。
父は「そんな本一冊で何がわかるというのだ」と怒りました。
姓名判断について学んだこともありますが、占い鑑定ではあまりやりたくなかったのは、この時の記憶が鮮明だからです。名前には画数ではわからない不思議な力が秘められています。


島根の温泉津温泉のカフェにいた三毛猫。

TSエリオットの"The Naming of Cats"という詩。
書き出しは「猫の命名はむずかしい(The Naming of Cats is a difficult matter)」。
猫には3つの名前が要るそうです。
まず、家族が使う日常的な名前。
そして珍しくて威厳のある名前(猫が尻尾をピンと立てたり、ひげを広げてプライドを保つために必要)。
さらに秘密の名前。猫が深い瞑想中に考えている、この世に一つしかない自分の名前で人間には決して知られない名前です。