翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

『独居老人スタイル』に学ぶ老後の過ごし方

書評を読んでおもしろそうだと期待し『独居老人スタイル』を読みました。

独居老人スタイル (単行本)

独居老人スタイル (単行本)

「独居老人」というと、孤独で悲惨な高齢者みたいですが、正反対の内容です。
カバー裏の紹介文。

これまでずいぶんひとり暮らしの、ものすごく元気な老人たちに出会ってきた。
だれもたいして裕福ではなかったけれど、小さな部屋で、好きなものに埋もれて、
ストレスもなく、煩わしい人間関係もなく、もちろん将来への不安もなく――
ようするに毎日をものすごく楽しそうに暮らしている。
年齢だけちょっと多めの元気な若者なのだった。
カネなんかなくても、家族なんかなくても、好きなように暮らせばいいじゃないか。
どこのだれにも気兼ねなく。
あえて独居老人でいること。そして、あえて空気を読まないこと。
それは縮みゆく、老いていくこの国で生きのびるための、
きわめて有効なスタイルかもしれないのだ。

作者の都築響一をこうした考えに至らせた独居老人、16人が紹介されていますが、たしかにみんな楽しそう。
ボランティアで地域の人に感謝されるとか、尊敬を集める人格者みたいな老人は一切出てこなくて、奇妙なアーティストとかレゲエファッションの洋品雑貨屋店主などが紹介されています。
共通するのは、人から認められるかどうかなんて超越している点。自分の生活シーンを撮影してSNSに投稿し「いいね!」を集めたいなんてまったく考えない人たちばかりです。

「そんなこと言ってもね、年を取って健康じゃなくなったら好きなこともできなくなるよ」と悲観的な友人。
たしかにそうだけど、好きなことをやってストレスのない毎日を送っていれば病気にもなりにくくなるんじゃないか。たとえ病気になっても、その時まで好きなことをやっていたら、それでいいじゃないか。

私の座右の銘であるボブ・ディランの名言。
A man is a success if he gets up in the morning and gets to bed at night, and in between he does what he wants to do.
(朝起きてから夜寝るまでの間に、自分がやりたいことをやる人は、成功者だ。)

『独居老人』の後書きより。

人生の「勝ち組」「負け組」というのはけっきょく、財産でも名声でもなんでもない、死ぬ5秒前に「あ〜、おもしろかった」と言えるかどうかだという、単純な真実。どんなにカネや部下や大家族やたくさんの奴隷に囲まれても、「ほんとは音楽やりたかったのに」とか「絵を描いてたかった」とか、最後の瞬間に頭に浮かんでしまったら、それは「負けの人生」だ。


綱島ラジウム温泉「東京園」。渋谷から東急東横線で30分足らずとは思えないほどのゆるいスポットでした。座敷でカラオケやダンスを楽しんでいる高齢者の姿を横目に生ビール。温泉と座敷は出入り自由で食事も酒も豊富に揃っていました。
残念なことに、閉園が決まったようです。新たな「東京園」的場所を見つけなくては。