翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

吉方取りの限界

東洋占術での開運術といえば、吉方取り。

これまでもちょくちょく、吉方位の温泉に行ってきました。単に吉方に行くだけでなく、吉方の「気」を取り入れるために、現地で食事や入浴すれば、開運効果が高くなります。

九星気学では、八方位と中央の9つの場所を9つの星がぐるぐる回り、五黄土星が入った方位が五黄殺、その反対側が暗剣殺。そして歳破(さいは)。これは十二支の方位で見ます。今年は未年だから、未の方位の反対側の丑(北北東)が歳破となります。

しかし、九星気学には諸説あります。
五黄土星は帝王の星であり、五黄殺は必ずしも凶でなく、五黄殺を活用して財を成した占い師もいると聞きました。
また、歳破は必ずしも凶ではなく、西洋占星術オポジションのように刺激をもたらす方位と考えることもできます。

そして、自分の生まれた年を司る本命星が入った方位を本命殺として凶とする流派があれば、自分のパワーを高めるから凶ではないという流派もあります。

旅行やレジャーでの移動なら、それほど神経質にならず「吉方位に行っていいことがあるかも」という軽い気持ちで出かければいいのですが、引越しとなると話は別です。

引越しは「太極」の移動であり、運気にストレートに影響します。
どの流派でも凶とする暗剣殺の引越しは避けたいものですが、転勤先が暗剣殺だからといって辞令を拒否してクビになれば元も子もありません。

進学、就職、転勤などでどうしても引越ししなくてはいけないのなら、方位の吉凶は知らないほうがいいのでは。吉ならいいのですが、凶だと知ると、「どうせ何をやってもだめだ」と一気にネガティブに傾いてしまいます。

そして、九星気学の講座で先生はこう話しました。
「引越しによって運気が上がったり下がったりしますが、持って生まれた運気の幅というものがあります。
どれだけ吉方位に引っ越して運気を上げたとしても、普通の運動神経の持ち主がプロ野球選手になるのは無理です」

平安時代の貴族は外出先が凶なら、前の夜に別の方位で一泊してから目的地に向かいました。方違え(かたたがえ)と呼ばれる方法で、光源氏なら方違え先で恋愛のきっかけをつかむこともあるでしょうが、現代生活でこんな悠長なことはやっていられません。

どうしても避けられない引越しなら、運命だと受け止めて吉凶を気にせず動くこと。
目的地が選べる旅行やレジャーなら、吉方位を選ぶこと。
これが私の結論です。


私の旅はよく東京駅から始まります。
東京駅の天井には十二のレリーフの八方位がありますが、北の子(ね)、東の卯(う)、南の午(うま)、西の酉(とり)が欠けています。設計者の辰野金吾の出身地である佐賀県の武雄温泉にあるとか。いつか行ってみたいものです。