翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

双頭の鳥・集合的無意識・人は島嶼にあらず

「いつかはムスタンへ」と想像するようになって、仏教を学ぶのがますます楽しくなりました。

月に1回、田町の仏教伝道協会でケネス田中先生の仏教英語講座に通っていますが、先月の講座は『仏陀の教え』に出てくるこのエピソードで始まりました。

かつてヒマラヤの山中に、身体は一つで頭が二つある鳥が住んでいた。ある時、一つの頭が甘い果実を食べていることにもう一方の頭が気づき、嫉妬に駆られた。「それなら私は毒を食ってやろう」と、この頭はつぶやいた。そこで毒を食らったが、すると鳥そのものが死んでしまった。

ケネス田中先生の解説。

Given the interdependent and interconnected nature of their relationship, any attempt to hurt the other ultimately harms the whole.
双方が互いに依存し合い、互いにつながり合っているという関係の性質上、相手を傷つけようとすれば必ず結局は(自分を含む)全体を傷つけてしまうのです。

そして、松濤弘道師の氷山のたとえ話を再び紹介しました。

He said that on the surface of the ocean, we see a group of separate icebergs, but under the surface they are all connected and form one giant block of ice.
彼は、大洋の海水面ではバラバラな氷山の一群に見えても、水面下ではどれもつながっていて、一つの巨大な氷の塊なのだと語ってくれました。

ユングの「集合的無意識」。
私たちが自分の意識だと思っているものは、ほんの一部であり、無意識の奥まで探っていくとすべての人の意識がつながっている。
ユングがこう考えたのは、精神病の患者の夢や妄想が神話や昔話とよく似ていることに気づいたからです。世界各国の神話や昔話によく似た話があるのは、このためだと考えられています。

そういうことを大学時代の心理学の講義で学びましたが、知識として得ただけです。
記述式の試験は得意だったので「集合的無意識について1000字で述べよ」という問題が出れば、かなりいい点を取っていました。
でも、現実の生活では、新しい人と会ったら、つながりを感じる前に、格付けをしたり、対立したり。
集合的無意識」やinterdependenceは教科書に書いてある言葉にしかすぎませんでした。

ケネス田中先生は「頭で知っているだけでなく、体全体で理解する」ことを仏教英語講座の目標の一つとされています。
本やネットを通して、知識は手に入ります。でも、心や体の奥底まで落とし込むのは、簡単なことではありません。だからこそ、いくつになっても学びは続くのでしょう。


6月に伊東の海で遊覧船に乗りました。

英国詩人ジョン・ダン(John Donne)の詩の一節、"No man is an Island, entire of itself(人は島嶼にあらず)"を思い出しました。
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にも引用されています。そこで今日のタイトルは、ねじまき鳥風にキーワードの羅列にしてみました。