翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

西式健康法・一日入院を体験

節食が開運につながるといっても、飲食店やスーパー、コンビニが立ち並ぶ都会に暮らしていると、なかなかむずかしいもの。おいしそうな料理やお菓子の写真を目にせずにいるのは不可能ですし、お金さえ出せば食べたいものが瞬時に手に入ります。

よほどの意志力がないかぎり、節食はむずかしい。
食べ過ぎる生活をリセットするために、断食施設にも出かけましたが、1泊2万円ですからちょくちょく行くわけにもいけません。それに、質の高い断食施設はとても人気が高く、何ヶ月も先まで予約が埋まっていたりします。
伊豆高原には、やすらぎの里、 ヒポクラティック・サナトリウムなど名だたる断食施設がありますが、伊東の温泉に泊まった際に、金目鯛やアジの干物などおいしいものをどっさり食べたので、断食のために伊豆に行くのは気が進みません。

そこで見つけたのが西式健康法です。
朝食抜きで少食。薬を使わない西医学が元になっています。

西医学の創始者西勝造氏は明治17年生まれ。
13歳の頃に原因不明の下痢と微熱が続き、心配した両親は西洋医学や漢方の名医に連れて行ったのですが、「この子は20歳まで生きられない」と診断されてしまいます。
西少年は「自分の体は自分で治す」と古今東西の本に紹介されている健康法を次々に試しました。
ところが、どの健康法も続けていると副作用が生じてきます。そこで「医者の言うことの反対をやろう」と考えたのです。

病弱でもメンタルは強くて、天邪鬼。なかなかおもしろい人物です。
下痢には生水を飲んではいけないとされていしたが、少しずつ生水を飲むうちに慢性の下痢が完治。
風邪の引き始めは暖かくしてと言われますが、西少年はあえて薄着に。熱が出てきたら冷やさずに布団をかぶって汗をかけば風邪が治る。
こうして西少年は成人するころには健康体となっていたそうです。

西氏は医師ではなく、アメリカのコロンビア大学に留学して工学を学び日本初の地下鉄を設計しています。
その後、医師の渡辺正氏や甲田光雄氏により、科学的な健康法として確立されました。甲田氏も慢性の胃腸病や肝炎に苦しんでいましたが、断食療法により病を克服しています。

子供時代も今も病院嫌いの私は、なかなかいいんじゃないかと思いました。
昔から好物は魚と野菜で肉はあまり食べません。家族ですき焼きを囲むと、野菜とこんにゃく、豆腐ばかり食べて牛肉に箸を伸ばさないので「そんなことじゃ大きくなれない」とよく言われましたが、平均身長以上に背は伸びました。
そして、病気には無縁で健康そのもの。たまに風邪をひくと、栄養のあるものを食べるように言われるのが苦痛でした。「じっと寝ていれば自然に治る」と母に訴えるのですが、病院に連れて行かれました。
家族からは「野生動物」「西洋医学を信じない野蛮人」と呼ばれてきました。

万人に効く健康法はありません。
肉を食べ、朝ごはんもしっかり摂って元気な人もいれば、菜食で朝食抜きのほうが調子のいいという人もいます。要は、自分に合った健康法に巡り合えるかどうか。

深刻な病気になって自分の手に負えず病院に駆け込む前に、西式を試してみよう。
そう考えて探してみると、東中野渡辺正氏が創立した医院があり、現在はご子息の渡辺完爾氏が院長をなさっています。

一日体験入院(朝から夕方まで・2食付)は1万4800円。健康保険が適用されず自費ですが、断食施設の1泊2万円からするときわめて良心的な価格です。

そんなわけで、一日病院で過ごしてみました。
これまで入院したことがないので、とても新鮮な体験でした。
病気ではないので、ベッドに寝ることはなく、機械を使った運動療法や体操の指導、温冷浴、辛子湿布などけっこうスケジュールが詰まっています。

11時半に昼食。

厚揚げと野菜、コンニャクの煮物は薄味でとてもおいしく調理されていました。しかし、中央の野菜のすりおろしを完食するのが一苦労。材料は小松菜、ホウレンソウ、キャベツ、ニンジン、大根。調味料を一切加えていません。冬なら野菜の甘みが出ておいしくなるそうですが、夏は…。
生食は西式の食事療法のメインですから、残すなんてできません。満腹になったら食べられないだろうから、最初に食べてしまおうとしたのですが、とても無理。一口食べては普通の食事を摂り、また一口。食べ終わるのに30分近くかかってしまいました。

17時半に夕食。

ロールキャベツの中は野菜、きのこや豆腐。ほんのりカレー味でおいしかったのですが、野菜のすりおろしを完食するのに再び苦労しました。

終わってみればあっという間の一日でしたが、自分の体と向き合ういい機会となりました。
先日の入棺体験に続き、入院体験。健康だからこそ「体験」できるわけで、本当に重病になったり死んでしまう前にやっておきたかったのです。