翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ネット時代、いかに人と出会うか

3ヶ月間の日本滞在を終え、アンネはフィンランドに帰っていきました。
別れ際に、「どんな言葉でお礼を言ったらいいのかわからない」と感謝されましたが、お礼を言うのは私も同じ。
アンネがいたからこそ、おもしろい人とどんどん知り合えました。
普段、自宅に引きこもりでパソコンに向かってばかりいる私にとって、なんと刺激的な日々だったでしょう。

滞在のハイライトは、二人で島根県川本町に一週間滞在したこと。
過疎を逆手に取って事業を展開し、地域活性化にも取り組む尾野寛明さん。
羊を追い求めて川本町にやってきた東海林誠さん。
神社と音楽、ゲストハウスなど新しい可能性を探る高橋重宗さんと伊藤康丈さん。
アンネの歓迎会、神楽や剣道見学、温泉、石見焼きの窯訪問、箱寿司作りなど、優春翠や地元の方々の協力によって充実したスケジュールでした。

前回のエントリーで「川本町の魅力がわかり、現地の人と交流できる外国人と知り合うことも一つの技能」と書きましたが、伊藤洋志さんとphaさんも熊野に関わる人はかなり慎重に選んでいます。

「いろんな人を受け入れて風通しをよくしよう」と言っても、「何でもかんでも外部の人にオープンに開かれているのがよいのか?」というとそうでもなくて、やはり知っている人間ばかりのほうが安心感があって居心地がいいというのもある。ハードルをただ下げればいいというものではないし、その「どこまで開くか」というバランスを取るのがコミュニティを回していく上で一番難しいポイントだ。

 全く新しい人間が入ってこないコミュニティは雰囲気がよどんで、だんだんメンバーも減っていって、そのうち消滅してしまう。けれど、よく知らない新規参入者が入れかわり立ちかわりやって来るという場所も、あまり落ち着かないし、運営者も疲れてしまう。
(phaさん)

彼らは熊野にネットで呼びかけて不特定多数の人を呼ぶようなことはしていません。
基本的には、二人の知人や友人を直接誘っているそうです。

カウチサーフィンに対して「危険なんじゃないの?」とコメントする人は、リクエストがあれば受けなくてはいけないと誤解している場合がよくあります。
中には、スケジュールが合えば誰でも泊めるというホストもいるかもしれませんが、よく知らない外国人が入れかわり立ちかわり自宅に泊まっているというのは、どうなんでしょうか。トラブルが起きる可能性も高いし、単に無料宿泊所として利用されるのはむなしいと思います。

都会のイベントなら、オープンに募集してもいいでしょうけど、田舎となるとそうもいきません。
もし一人でも、よろしくない人が混じっていて、トラブルを起こしたら?
田舎の口コミのネットワークは、ツイッターフェイスブックより緊密ですから、たちまちのうちに噂が広まり、「あの人が連れてくる人はあやしい」と信用を一気になくします。

今回、アンネを川本町に連れて行くのに際して、心配は一切不要でした。
去年の6月に東京の我が家でホストして、四国の歩き遍路体験などたっぷり会話を交わし、人柄は十分わかりました。
3ヶ月後の9月にフィンランドのアンネの家でホストしてもらい、新聞記者としての働きぶりも見たし、ボーイフレンドのご両親のサマーコテージで歓待されるなど、たっぷりおもてなしされました。

だからこそ、今回の川本町滞在は、アンネと私だけでなく地元の人々にとっても、楽しいものになったのではないでしょうか。

phaさんは「オープンとクローズドの、両方のいいところをうまく組み合わせたい」と書いていますが、これは「フルサトをつくる」、カウチサーフィンに限らず、人間関係を充実させるコツでしょう。

ネットがあるからこそ、これまで知り合うきっかけがなかった人ともつながれる時代になりました。
だからといって、やみくもにつながって、ネット上に何百人、何千人の知り合いができたとしても、管理がむずかしいし、親密な交流が生まれるか疑問です。
ネットのサービスは次々と進化し、ローテクの私はどう使いこなしていいのか迷ってばかりですが、人間関係の本質は昔も今も変わっていません。
使えるものはうまく使って、楽しく生きていきましょう。


猫だって、付き合う人を選びます。優春翠の愛猫は苦手な人が来ると家の奥に隠れて顔を出しません。アンネと私は猫たちに受け入れられたようで、布団まで占拠されてしまいました。