翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

人生にテーマを持とう

フィンランドから来たアンネは翌日から新宿の日本語学校に通い始めました。
「初日はクラス分けのテストがある」と勉強に余念のないアンネ。
もう来日7度目だし、去年は四国の歩き遍路を一人でやり通したのですから、ある程度の日本語は身についているはずなのですが、アンネが取り組んでいたのはカタカナでした。
「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」の書き分けに苦労し、「自分の名前もカタカナでまともに書けなかったら一番下のクラスに入れられてしまう」とあせっていました。

巨大迷路のような新宿駅で出口を間違えると大変です。
グーグルマップをわかりやすく書き直して、目印となる建物を日本語とローマ字で書き加え、時間のゆとりをもって送り出しました。帰ってきたら、宿題を見てあげて、まるで東京のお母さんです。

アンネをホストしてくれる友人に紹介できたのは、「剣道」というテーマがあったからです。
昨年の9月からフィンランドで剣道を始めたアンネはすっかり夢中になり、1週間に2回のペースで稽古に通っています。
東京で受け入れてくれる道場、そして防具を買いたいという相談を受け、中学校の剣道部の顧問をやっていた友人に連絡を取ってみたのです。

剣道部で教えている先生を紹介してもらい、アンネを連れてまず中学校に行きました。
先生は元警視庁で剣道6段。
アンネの剣道クラブは設立されたばかりで、指導しているのはフィンランド人の剣道2段。その他のメンバーは初心者ばかりだそうです。そして、週に4回も熱心に稽古しているというのに、来日経験があるのはアンネ一人! 指導者はヘルシンキで段を取ったそうです。
そんな状態ですから、「あんな偉い先生から直接、オーセンティックな指導を受けられるなんて!」とアンネは大感動。
剣道部員たちも、りりしく礼儀正しい中学生ばかり。外国人も剣道をやっていることがうれしいのか、とても親切にしてもらいました。

フィンランドで防具を入手するには、ネットで注文するしか方法がなく、今回のアンネの来日の目的の一つは剣道の防具の購入です。
日本で剣道の防具を買いたいというアンネに、先生は自分がよく知っている防具屋さんに連れて行ってくださるそうです。体に合わせてあつらえる防具は一生ものですから、剣道の達人が一緒にいればこれほど心強いことはありません。

剣道というキーワードで、これほど短時間に深い好意を寄せられたアンネ。
外国人に「日本が大好き」といわれると、日本人としてうれしいものですが、一歩進んで、何かテーマがあるとさらに充実した関係が築けます。
私にとって、フィンランドでのテーマは何になるのか、模索しているところです。


中学校の体育館で剣道部の稽古に参加させてもらったアンネ。後ろから見ると、髪を金色に染めた不良女子学生のよう。

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