翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

携帯を捨てよ、町へ出よう 映画『旅人は夢を奏でる』

フィンランド映画『旅人は夢を奏でる』を観ました。

監督はミカ・カウリスマキ。私が好きなアキ・カウリスマキのお兄さんです。
(ミカとかアキとか、女の子の名前みたいですが、二人とも男性です)

3歳のときに出て行った父・レオが35年ぶりに帰国するというフィンランド版『父帰る』。
元ミュージシャンで怪しさ満点のレオに対し、クラシックのピアニストとしてストイックに生きる息子のティモ。

「腹違いの姉がいる。会いに行こう」とレオに告げられ、コンサートをキャンセルしたティモですが、適当なところでヘルシンキに戻るつもりです。
代役の手配や今後の予定など、携帯で細かく打ち合わせするティモ。
レオはその携帯を取り上げ、なんと海に投げ捨ててしまいます。
半狂乱になって海に入り、携帯を探すティモ。ここで激怒して親子は決裂するんじゃないかとはらはらしました。しかしティモは携帯がなくなったことで、一気に吹っ切れてしまったのか、二人で北へ向かう旅に出ます。
いわば強制的ソーシャル断捨離によるショック療法です。上の予告編で携帯を投げ捨てるシーンを観ることができます。
このシーンこそが、ストーリーのターニングポイントです。

自分とは対照的な生き方をするレオと一緒に旅することで、ティモの人生も変わっていくのですが、携帯で仕事関係者とつながっていては変われなかったのでしょう。
携帯電話は昨日から今日、明日へと続く日常生活のシンボルです。

35年も異国を放浪していたレオが娘(腹違いの姉)とつながったのは、フェイスブックです。
娘の母親はアメリカにいて、スカイプで母と父を会話させます。
IT大国のフィンランドらしく、情報機器をうまくストーリーに入れ込んでいます。


映画に出てくるショッピングモール。アンネとタンペレ郊外のサマーコテージに行く途中に立ち寄りました。


昨年の9月にフィンランドを旅したときは、携帯を捨てるどころか、携帯が命綱。
カウチサーフィンで泊めてもらうだけでなく、東京でホストしたフィンランド人の知り合いを紹介してもらうこともあり、通話とメールで常に連絡を取り合える状態にいなければなりませんでした。

通話は、ガラケーのグローバル・パスポート機能でフィンランド国内および日本と問題なくつながりました。
メールの送受信は、KindleHD。ネット環境の整っているフィンランドでは大活躍で、新規の仕事の依頼メールにも対応でき、日本のニュースも随時チェックできました。
プラグ変換のアダプターで充電も簡単です。ガラケーは電池のもちがいいし、フィンランドでは充電で困ったことはありませんでした。

しかし、一度だけ「スマホにしておけばよかった」と思ったことがありました。

フィンランドの森でキノコ狩りをしたときです。
エリカのご主人、サムが「スマートフォン持ってる?」と聞いてきました。
とても便利なキノコ識別アプリがあるそうです。

フィンランドではキノコはだれでも自由に採ることができます。
ただし、毒キノコも多いので、死者が出ることも。
そこでキノコ識別アプリが開発されました。傘や軸の色や形から、食べられるキノコがどうかを調べます。
次回、フィンランドでキノコ狩りをするときはいくらなんでもスマホを使っている…はずです。


ディズニーの白雪姫に出てきそうなキノコ。さすがにここまで色鮮やかだと、キノコ識別アプリを使わなくても、毒キノコだとわかります。