翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ギターを持った変なおじさん

お正月は集中して本を読みました。旅先に持参するのは電子書籍になってしまったので、自宅では紙の本が中心です。

年末に購入しておいたこの本も読了。

おもしろかったのが、このエピソード。

2007年の3月ごろ、ボブの孫(ジェイコブの息子)が通うカリフォルニア州カラバサスの幼稚園を突然、ボブがギターを持って訪問した。それは何度かつづいた。ボブは園児たちに歌をうたって聴かせた。帰宅した子どもたちは親たちに、「ギターを持った変なおじさんが歌をうたいにくるんだよ」と報告していたという。

いかにもディラン先生。好きなときに、好きな曲を好きなように歌う。
聞き手によって限定されることを何よりも嫌うディラン先生は、自分のことを何も知らない小さな子どもたちの前で歌いたかったのでしょう。

インターFMでディラン先生がDJを担当するラジオ番組が聴けるようになったのは、とても嬉しいことです。
http://www.interfm.co.jp/bobdylan/

先日の放送では「カウント・ダウン」がテーマで、リスナーから寄せられたリクエストの多い曲を順番に紹介するという触れ込みでしたが、解説のピーター・バラカンによれば、これは真っ赤なウソ。ディラン先生が好きな曲を勝手にかけているだけだそうです。DJごっこを楽しむ大スター。そんなところが大好きです。

時折、リスナーからの手紙も紹介されますが、本物なのか、ディラン先生の創作なのかあやしいものです。

先日は、こんな手紙が読み上げられました。
モントリオールのローラから。この番組をよく聴いて、あなたのかけている曲のレコードを買うけれど、友達はみんな知らないという曲ばかり。ちょっと気がめいります。どうしたらいいでしょうか?」

ディラン先生からのアドバイス
「大丈夫です。心配しないでください。群衆と違うところに行くことを、恐れてはいけません。群衆が先に行ったら、もうそこに食べるものはない」

ボブ・ディランは超有名ミュージシャンですが、私の世代(50代)の女性でディランが好きという人はそう多くありません。学生時代に友人とディランについて語り合ったことは皆無です。
「変な声」と言われそうで、一人でレコードを聴いては「何を歌っているのだろう」と英語の歌詞を眺める暗い高校生でした。

そんなわけで、音楽に関しては群衆と違うところをずっと歩いてきたわけですが、ディラン先生が引き寄せてくれた二つの縁があります。

一人は、大学生の男の子。イギリスに留学するというので、使者になってもらいました。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20120930/1348932400

もう一人は、カウチサーフィンでホストしたアメリカ人のケネス。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130321/1363825043

同世代の友人と好きなミュージシャンで盛り上がることはできなかったけれど、ディラン先生の言う通り、群衆と違うところに行ったことで、思いがけない出会いがあったのです。

四柱推命を学んだとき、命式を風景として観る講座がありました。
私の命式は、冬山の小さな温泉宿。誰でもいいから来て欲しいと呼び込みするのでなく、常連だけを相手にしていればいい。宿のコンセプトに合わない人に押しかけられても、双方が気まずいだけ。
これがわかって、生きるのがかなり楽になりました。
日本、特に日本の学校では誰とでも友達になれる社交的なタイプがもてはやされますから、教室の片隅で「ギターを持った変なおじさん」のことを考えていていいのだろうかと不安になったりしたものです。でも今なら自信を持って、「大丈夫、それでいいから。世間から変に思われても、好きなことを追求しよう」と思えます。

今の時代は、ネットを活用すれば、群衆と違うところでも、気の合う人が見つかるチャンスもかなりあるのではないでしょうか。
身近な友達はみんな知らないと言っても、自分の中の「好き」という気持ちを大切にしていれば、きっとおもしろいことが起こります。

ディラン先生のラジオ番組を聴くと、何か書きたくなります。
「離婚」がテーマの回。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130704/1372896191

「花」がテーマの回。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130721/1374360841

「学校」がテーマの回。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130926/1380158054


前回の写真に続き、アアルトの花瓶。フィンランド・セイナヨキ郊外の農家にて。アアルトの出身地ということもあり、さりげなくテーブルに飾ってあるのを見て、欲しくなり、帰路の空港で購入しました。