翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

今年の冬至は12月22日

街はクリスマス一色ですが、クリスマスはもともと「冬至」をお祝いする日でした。

クリスマスは、この世の光であり太陽であるキリストの誕生という意味をこめて、太陽神ミトラの誕生日『冬至』を祝う日として定められたのである。ところが計算上の狂いのため、現在では冬至とクリスマスは一致していない。

暦と占いの科学 (新潮選書)

暦と占いの科学 (新潮選書)

著者は数学基礎論の大学教授。
「天中殺や四柱推命の理論構造」「八卦の論理」「九星術のロジック」などの章があり、占い師にもとても参考になります。

フィンランドでは、夏至の日はユハンヌスというお祭りがあります。
貴重な太陽の光が夏至を境に弱くなっていくのですから、一晩中酒でも飲まないとやっていられないのでしょう。
そして冬至はクリスマス。
「寒さは続くけれど、クリスマスが来れば、日がだんだん長くなる」と天に感謝し、敬虔な気持ちになるのでしょう。
ヘルシンキ在住のスザンヌが、12月上旬にフェイスブックにこう書いていました。
The day was really grey and it never got really light, because it was so misty. Anyhow, only 11 more days to come until the days are getting longer again!
(本当に灰色の日で、霧も濃くて明るくならない。だけど、あと11日もすれば、日がまた長くなる!)

ムーミン一家は、冬眠して冬をやり過ごすのですが、一人だけ目覚めてしまったムーミントロールは朝になっても日が昇らないので「お日さまはもう来ない」と不安になります。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20121014/1350142112

易者にとっては、冬至は一年で最も大切な日です。
易は陰陽を6つ重ねて64パターンの卦を出して占うのですが、冬至は陰が極まって陽に転じる日ですから、この日に一年を占う「年筮」を立てます。

毎年、冬至の日には緊張して筮竹を手に取ります。
冬至二十四節気の一つで、ほとんどの年は12月22日ですが、年によって21日になることもあります。今年は22日です。
太陽の色をしたかぼちゃを冬至には食べたいもの。南は五行の火の方位ですから、「南瓜」は陽の力を強めてくれます。
あずきとかぼちゃの「いとこ煮」が冬至の料理とされているのは、あずきの赤い色が陽の色だから。
サンタクロースの衣装が赤いのは、コカ・コーラの広告に由来するそうですが、まさに一陽来復を象徴しています。
そして、ゆず湯に入って体を温める。ゆずは黄色で、黄色は五行の土の色。五行の相剋関係では、土剋水(どこくすい)で、水行が強い冬に打ち勝つことができます。

冬至で一年を区切り、新たなスタート。
そして世間のお正月も、「明けましておめでとう」と改まった気持ちになれます。
さらに四柱推命九星気学では、年が変わるのは立春です。甲午の年となるのは、2014年2月4日です。
ただ、2月4日に一気に切り替わるわけでなく、1月から徐々に甲午の気が強くなり、立春で完全に甲午となるイメージです。

3回、決意を新たにできる機会があるのですから、うまく活用したいものです。
冬至で一年の指針を考え、お正月でスタート。立春で一ヶ月間の結果を踏まえて調整しています。


フィンランド西部の街、セイナヨキの教会。アルヴァ・アアルト設計です。