翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

本当にすばらしい瞬間は撮影できない

NHKラジオの実践ビジネス英語、8月後半のテーマは、Good Food, Nice Manners(おいしい食事、よいマナー)でした。

kamomeskyさんが杉田先生とヘザーさんがテーマについての会話を書き起こしてくださっています。
d.hatena.ne.jp

ニューヨークで働く日本人の元に日本から友人たちがやってきて、高級イタリアンレストランで食事をした。日本の友達がスマホで料理の写真を撮っていたら、ウェイターから撮影しないでほしいと頼まれたというのが導入です。

「フラッシュを使っていないのに、何が問題なのかわからない」「日本ではいつもやっていることなのに」というのが友人たちの反応。
番組内でも、なぜ撮影してはいけないか、明確な理由は述べられませんでしたが、高級レストランでの撮影は、品位に欠ける行動のようです。

ケイスケさんのブログを読んで、コメントのやりとりを通して、撮影について新たに考えました。
もともとのテーマは、リニア新幹線が開通したら、名古屋から品川まで90分で行けるようになるけれど、それに意味があるのだろうかというものです。

sakak.hatenablog.com

「ビジネスでなく、旅行なら速く移動することよりもプロセスを楽しみたい」とコメントしたところ、「遠くの人と会えるようになったという点で飛行機や新幹線は幸せをもたらしてくれたけど、その先で何を体験し、感じるかのほうが大事」とケイスケさん。
さらに、写真の達人であるケイスケさんからこんな発言が。

観光地をひとつでも多く回って、デジカメで写真を撮りまくるのもいいんですが、時にはカメラを置いて、自分の目で、目の前の景色を見て、匂いや音やそういうものに触れる感覚を楽しむのもいいんじゃないかと思います。

「最近、どこにいっても、スマートフォンで写真を撮りまくる人を目にするわけですが(まあ、私もカメラを持ち歩くのであれですが)、記録することばかりに意識し過ぎて、感じることがおろそかになっていないかなあ、とは思います。

フィンランド旅行で最高の瞬間の一つ。

それは最終日の夜です。スザンヌが企画して、ヘルシンキの日本料理店「古都」で夕食会を開いてくれたのです。

その日の午後は、ウェブデザイナーのノーラと会い、彼女の友人が働くフィンランド最大の広告代理店を訪問し、街歩きを楽しみました。
そのまま「古都」に向かうと、お店の前でスザンヌが待ってくれていました。ほどなく、マイヤちゃんも到着。

3人とも私が東京でホストしたカウチサーファーです。
まるで私が「東京のお母さん」のように感じられ、しっかり者で空手黒帯のスザンヌは長女、明るい性格で人を引き付けるノーラは次女、少女の面影が残るマイヤちゃんは三女。なんてすばらしい三姉妹なんだろうと妄想が広がりました。彼女たちが我が家に滞在中は、手塩にかけてお世話したつもりです。

9月上旬、夏の名残りの明るい夕暮れの中に立つ3人の姿が本当に美しくて、胸がいっぱいになりました。

「3人の写真を撮りたいな」と一瞬、思いましたが、バッグの中からカメラを取り出し、3人に向けてポーズを取ってもらったら、このすばらしい感覚がなくなってしまう。だから、写真は撮らず、4人でヘルシンキの夕暮れの中にいる感覚をひたすら味わいました。

その後、マイヤちゃんのお母さん、スザンヌの友人の安藤君、ユッシ君も加わり、7人で夕食を楽しみました。

写真という記録は残っていないけれど、3人のことはしっかり記憶に残っています。


9月上旬のヘルシンキにはこんな青い空が広がっていました。


ノーラの学生時代の友人が勤める広告代理店のスローガン。元は野菜の市場だった場所を改装してモダンなオフィスに。会議室は「フィンランドの森」「海辺の家」「アングリーバード」「子供部屋」などそれぞれテーマに基づいてインテリアコーディネイトされていました。
フィンランドでは、エリカの出版社、アンネの新聞社、ユハナ君の金融機関などオフィス見学がとても刺激的でおもしろい体験でした。