翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ネット上だけで信用を得られるフィンランド人

こう暑くてはフィンランド人旅行者なんて来ないだろうと思っていたら、カウチリクエストが舞い込みました。

ヨルマという青年。きちんとした文章だし、写真もまじめそう。でも、今回の日本旅行で初めてカウチサーフィンを利用するというビギナーです。
ホスト経験のない旅人からのリクエストは断ることにしているのですが、ハメーンリンナという地名が目に入りました。

8月末からのフィンランド旅行では、ヘルシンキ、ハメーンリンナ、タンペレ、セイヨナキと回る予定ですが、ハメーンリンナだけ知り合いがいません。このタイミングでのハーメンリンナからのカウチリクエストは、パズルの最後の一片がぴたりとはまるような気がしたのです。

ただし、ヨルマは4週間日本を旅した後、オーストラリアで4週間を過ごします。昨年、休暇を取っていないので2年分まとめて8週間の旅。
私のフィンランド訪問時、彼は不在です。それでも、仲良くなればハメーンリンナの知り合いを紹介してくれるかもしれません。

そんな下心もあり、「レファレンスのまったくない人をホストするのは不安だから、まずメール交換でお互いを知ろう」と提案してみました。

IT大国のフィンランドでは、医療や社会保障の個人情報はすべて電子化されています。たとえば、電子カルテによって検査データや病歴から処方箋、支払いまでが自動化。無駄な検査がなくなり、患者の待ち時間も短縮されます。
国に対する信頼感があるから実現したのでしょうが、さすがノキアリナックスを生み出した国です。

だからヨルマも、「あなたが不安に思うのは当然だ」と、自らのメールアドレス、勤務するハメーンリンナの大学のホームページ、フェイスブックスカイプのアドレスなどを送ってきました。そして、「アイスランドを旅した時は友人の実家に泊めてもらったこともあるし、オーストラリアから来た友人を自宅に泊めたこともある。だけど何年も前からの知り合いだからできたことで、カウチサーフィンの経験には入らないけれど…」と正直に書き加えてありました。
そして、ヨルマの趣味の一つが折り紙。ヨルマの名前を検索すると、日本の折り紙関連のサイトにも名前があります。

何の組織にも属さすフリーランスで働く私より、ずっと信頼できる人物のようなので、ホストすることにしました。
以前、「ネットの向こう側の人をリアルに想像できるか」というエントリーを書きました。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130707/1373157973
リアルに想像することから、一歩進んで、ネットだけで信用しあえるかを考えるべき時代なんでしょう。

ヨルマは水曜日に日本に到着するというので、成田から直接、うちに来るのかと思ったら、初日は新宿のホテルに泊まるとのこと。
「時差ぼけを調整しないと、せっかく会ったのにあくびばかりするのは失礼だから」
なかなか良識のある人物のようです。

2日間ホストして、東京大学教養学部の博物館で「計算折紙(コンピューテーショナルオリガミ) のかたち」という展示があったので、一緒に出かけました。Origamiは今や科学であり芸術の域に達しているなんて、ヨルマが来なければ知らなかったことでしょう。
そして、ハメーンリンナで会ってくれる人もしっかり紹介してもらいました。
こんな出会いがあるから、カウチサーフィンは本当にすばらしいと思います。


8週間の旅にしてはあまりにも小さなバックパックで現れたヨルマ。「荷物ってそれだけ?」とびっくりしたのですが、大きな荷物は預け、身軽に動いているそうです。日本人でも耐えがたい湿度なのに、いつも笑顔の折り目正しいフィンランド人です。


ヨルマが泊まった部屋には、ドラゴンの折り紙が残されていました。