翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

一輪の花が世界を変える

風水の原稿では、部屋に花や観葉植物を飾って開運するというテーマをよく書きます。

風水が生まれた古代中国は農耕社会ですから、植物(野菜や米)を育てることが蓄財につながりました。
現代の日本では、農業に従事している人は少数派となっていますが、財と植物の結び付きを忘れてはいけません。
殺風景な部屋では、人間関係もぎくしゃくします。それに、不要品が散乱している汚部屋には、花は似合いません。

部屋が散らかっているから、花や観葉植物を飾る心のゆとりもなく、ますます部屋が汚くなっていくという悪循環。
一輪の花を飾ることができれば、そこから変化を起こせます。

先週のボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワーは「花」がテーマでした。
花について歌われた曲がかけられ、次の言葉も紹介されました。

“If we could see the miracle of a single flower clearly, our whole life would change.” (Buddha)
一輪の花の奇跡をはっきり見ることができれば、私たちの人生は変わるだろう。(仏陀

“When you take a flower in your hand and really look at it, it’s your world for a moment.”(Georgia O’Keef)
一輪の花を手にとって真剣に見れば、一瞬、世界はあなたのものになる。(ジョージア・オキーフ

暑い日が続いて、ベランダのプランターを枯らさないように水をやるのが精いっぱいで、部屋に花を飾ることまで気が回りませんでした。
明日は小さな花束を買おう…

それにしても、さすがはディラン先生、DJをやっても含蓄のある言葉を紹介してくれます。

ボブ・ディランのことを「ディラン先生」と呼ぶのは、彼の歌を知り、英語を猛烈に学びたくなったから。そして、数多くの知恵も学んだから。

私が初めて買ったディラン先生のレコード(年齢がばれます)は、「マスターピーシーズ/傑作」と名付けられた3枚組でした。

アコースティックギターで戦争反対のフォークソングを歌うかと思えば、ロックに転向したり、甘い声でカントリーを歌ったり、奇妙な宗教ソングに凝ってみたり、変幻自在すぎて初心者は混乱します。
その点、「マスターピーシーズ」は「プロテストソング」「恋愛」「ロック」といったテーマ別に編集されていて、格好の入門盤でした。編集したのは当時CBSソニーでディランを担当していた菅野ヘッケル氏。編集という仕事の重要性をこの企画で知り、編集業界で働くことにつながっていきました。
価格は当時で5000円ぐらいだったので、「これを買えばしばらく新しいレコードは買えなくなる」と店頭で迷ったことを覚えています。

このレコードにより、私の人生は変わりました。英語を学び、海外を旅し、ライターという職業に就いたのもすべてディラン先生の影響です。

70代を迎えたディラン先生は、ネバー・エンディング・ツアーと称してライブを続けています。
そして私も知らない英単語にぶつかるたびに、辞書を引き、英語を学び続けています。
私にとっては、ディラン先生自身が一輪の花でした。