翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ゲシュタルトの祈り

久しぶりにアラン・コーエンの本を読んでいたら、こんな一節がありました。

「地獄への一直線への道は、パートナーに自分の虚しさを埋めてもらおうと期待することだ」

確かに、そうです。
しかし人生は、「わかっているけど、やめられない」というものだらけです。無人島で暮らしているのではない限り、周囲に期待してしまうのは自然なことです。

「私はこんなに好きなのに、なぜあの人は振り向いてくれないのでしょうか」
「親としてできるだけのことをしているのに、うちの子どもはまったく勉強しません」
「何社も面接を受けて、一生懸命自己アピールしたのに、内定が出ません」

占い師は、こうした問いに対して、答えを告げる仕事です。
「他者に期待するのではなく、自分を変えるしかない」なんてアドバイスしたところで、「そんな説教を聞くためにお金を払っているんじゃない」と怒鳴られるのが関の山です。

でもやっぱり、占いの力で人を変えることはできないのです。
占いでできるのは、あなた以外の人の考え方や行動パターンを読むことです。
意中の人に対して、どんなアプローチをすればあなたに対して好感を抱いてくれるか。
子どもの意欲を引き出す言葉や態度は何か、そしてNGワードは。
就職活動で最もアピールすべき、あなたの強みとは何か。
そうしたヒントを得るために、占いを活用してほしいと願います。

受験や就職とは違い、自分の努力でどうしようもないという点で、恋愛の悩みはけっこうつらいものです。
優秀だからといって、好きになってもらうわけにはいきませんから。
そんなときに少しは慰めになるのが、「ゲシュタルトの祈り」です。

私は私、あなたはあなた。
私は私のことをやり、あなたはあなたのことをやる。
私はあなたの期待に応えるために生きているわけではない。
そして、あなたは私の期待に応えるために生きているわけではない。
あなたはあなた、私は私。
偶然、二人が出会えば、それはすばらしいこと。
出会わなければ、それもまた同じようにすばらしいこと。

占いにできることは微力なのですが、道に迷ったときに、ちょっとした明かりを灯すことはできるのではないかと信じています。