翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

フィンランドの教育法は「易」に通じる

NHKの「地球イチバン」という番組でフィンランドの小学校の教育法が紹介されました。

私がフィンランドに興味を持ったきっかけは、カウリスマキ監督の映画ですが、お洒落な北欧雑貨好きの女子だけでなく、教育関係者からも、フィンランドは熱いまなざしを集めています。

OECD経済協力開発機構)が実施しているPISAという学力テストでトップの成績なのがフィンランド。暗記力ではなく「自分で考える力」を問うテストです。
教育の成果は経済に反映され、GDPはこの20年間で1.6倍に成長したそうです。

番組では、俳優の六角精児がフィンランドの小学校に体験入学します。そこで教えられるのがアセトゥスカルッタ(思考の地図)。
生徒にはそれぞれ、切り抜き写真が配られます。写真の人物を元に、主人公のキャラクターを考え、物語を作ります。与えられる時間は20分。

これが授業になるの?と思いますが、知識の詰め込みではなく、自分で発想していく力を育てるのが目的です。

今の時代、ほとんどの知識は検索すれば手に入ります。
求められる能力は、集めた知識をどう活用するかです。

フィンランドは20年前に深刻な不況に陥りました。
アキ・カウリスマキの「浮き雲」は夫婦が同時に職を失う苦境を描いた映画です。そこから立ち直れたのは、創造力をはぐくむ教育の力なんでしょう。

日本の教育を受けた私は、受験勉強の中に組み込まれ、創造力はあまり重視されませんでした。

易を学ぶプロセスで、「与えられた材料を使って、自分で考える」ことの重要性を認識するようになりました。

易というと、六十四卦の爻辞をひたすら暗記するイメージがあるのですが、大切なのは暗記力ではありません。

私が通った易の講座では、占的と得られた卦が示され、10分ほど考える時間が与えられます。そして、順番に自分の解釈を発表していきます。

なかでも、射覆(せきふ)はエキサイティングでした。
先生が持参したものは布で覆われています。生徒はそれぞれ易を立て、それが何であるかを当てるのです。
そんな超能力実験みたいなこと、と思われるかもしれませんが、出た卦を眺めているうちに、ヒントがもたらされるのです。

6つの爻の陰陽の組み合わせから、導き出される答えは無限にあります。そこから何をピックアップするか、易者の真剣勝負です。
暗記力を超えて、自分で考える力を引き出すには、易はとても有益なツールです。


フィンランド・ナーンタリのムーミンワールドスナフキンが出没します。

その後、ヘルシンキフィンランドの小学校の授業を見学することができました。

d.hatena.ne.jp