翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

安岡正篤による「癸」と「巳」の解釈

巡り来る年の六十干支を考えるとき、参考になるのが安岡正篤(やすおか・まさひろ)の著書です。
安岡氏は、昭和20年の玉音放送の原稿の完成や元号「平成」の発案者といわれていますが、占い業界では、細木数子とのエピソードが有名です。バーのママだった細木数子と出会ったとき、すでに80代となっていた安岡氏は認知症ぎみ。1983年、細木数子が強引に婚姻届を出しましたが、安岡家側は婚姻の無効の調停を申し立てました。

晩年にそんな騒動があったとはいえ、政財界に安岡氏の信奉者は多く、毎年「干支新話」として新年に向けての心構えなどを講演していました。それをまとめたのが「干支の活学」です。

干支の活学―安岡正篤 人間学講話

干支の活学―安岡正篤 人間学講話

この本には、昭和38年の癸卯から平成8年の丙子までの解説があります。
前回の癸巳の年は昭和28年なので、癸巳年は掲載されていませんが、癸(みずのと)と巳(み)の解説を組み合わせれば、2013年を予測するヒントが得られます。

安岡氏によると、癸は「揆」であり、物事を「はかる」という意味。百事をとりはからう官職を「揆」といい、特に大臣宰相を意味します。ところが、物事の筋道が立たないと、大混乱になり、政治が道筋を失って自然に起こる騒動を「一揆」と称するそうです。

雇用情勢が厳しくて、不本意な職に甘んじたまま年を重ねている人、一生安泰と思っていた勤め先からリストラされた人など、一揆を起こしたい心境の日本人はかなり多いのではないでしょうか。

また、癸は甲乙丙丁…の十干の一番最後であり、四季にたとえると冬。草が枯れ、木々の葉が落ちた冬枯れの景色の中に、それまで隠れて見えなかった四方の水路がはっきりと現れてきた姿を象ったものだという説明もあります。

表面をつくろいながら何とか延命を図ってきた諸々の制度や慣行も、癸の年にいよいよ終了となるかもしれません。

一方、巳は、冬眠していた蛇が春になって地表に這い出す姿の象形文字です。従来の因習生活に終わりを告げることを示し、已む(やむ)と同じ意味だそうです。

これまで溜め込まれていた不満が一気に爆発?

2012年の壬辰(みずのえたつ)は、激しい水の流れに堤防が決壊するような危ういイメージがありましたが、癸巳は地底から変化のエネルギーが盛り上がってきそうです。
壬辰は五行では水と土のエネルギーのぶつかりあいがありましたが、癸巳は水と火。どちらも相剋ですが、水と火のほうがエネルギーが正反対のため、相剋はきつくなります。

というわけで、大混乱が起きそうな組み合わせの癸巳ですが、六十干支を季節の景観に置き換えて読むと、癸は雨で巳は初夏ですから、涼をもたらし植物に潤いを与える恵みの雨とも考えられます。
一時的に混乱が起こっても、そこから新しい時代に合った筋道が生まれることを願いたいものです。