翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

グレアム・ヒルのTED流「断捨離」

「西に黄色」を置いて金運アップを狙う前に、部屋を片付けなさい。ごちゃごちゃした部屋に風水グッズを置いても、かえって気が乱れて逆効果です。

こうしたことを、繰り返し開運記事で書いてきました。
お掃除風水では林秀靜先生の一連の著作が参考になりますし、私にとっての片付け本のバイブルはカレン・キングストンの「ガラクタ捨てれば自分が見える」です。
掃除のモチベーションを上げるために何度読み返したことでしょう。
ガラクタ(clutter)は、エネルギーを停滞させるというのがカレンの持論。

 あなたとあなたの所有物は、エネルギーの細い糸で結ばれています。家の中が好きなもの、よく利用されるもので満ちていると、あなたの人生に力強いサポートと養分を与えてくれるのです。その一方、「ガラクタ」はあなたのエネルギー・レベルを落とし、長く溜め込むほど影響は大きくなっていきます。人生にあまり意味のないもの、重要ではないものを処分することによって、あなたは体も、心も、そして魂も軽くなることでしょう。

ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)

ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)

同様のメッセージは、「断捨離」「捨てる!技術」「人生がときめく片づけの魔法」でも語られます。
そして、この6月、NHK・Eテレのスーパープレゼンテーションを見ていたら、新たな伝導師が現れたのです。

今度は男性。グレアム・ヒル。カナダ出身の起業家です。
タイトルは「モノは少なく、幸せは大きく(Less stuff, more happiness)」。
http://www.ted.com/talks/lang/ja/graham_hill_less_stuff_more_happiness.html

TEDのプレゼンを見て思うのは、導入のうまさ。
スーザン・ケインは大切な本を入れたトランクを手にして登場しましたが、グレアム・ヒルは段ボール箱です。
「この箱の中身は何でしょう? 何であろうと、大切なモノです。アパートを引っ越しするときはいつも一緒でしたから」

ここで聴衆は笑います。日米共通なんですね。
引っ越しの際、とりあえずモノを突っ込んだ段ボール箱。押入れの隅にしまいこみ、次の引っ越しまで、その存在すら忘れてしまう。

そうしたガラクタから解放された生活が、いかにすがすがしいものか。
グレアムは「少なさに幸せを感じる」例として、大学の寮の部屋、旅行中のホテル、森の中のキャンプ、ボートの上といった例を挙げていきます。
そしてLife Editedというプロジェクトを説明します。
39平米のアパートで、オフィス、10人用の食卓やゲストルームを実現するというプロジェクトです。

ライターとして働いてきた私は、editというと「編集」という意味しか浮かびませんでした。部屋をすっきりした状態に整えることもeditなんですね。
雑誌や書籍のedit作業に追われて、人生のeditをおざなりにしていた歳月を反省しています。

Life Editedの方法は3つ。
第一に、容赦なく整理すること。
ruthlessly(容赦なく、無慈悲に、冷酷に)という単語が効果的に使われています。
何年も着ていないシャツは、捨てるべき時がきています。
そして安易にモノを増やさないこと。買い物する前に自問する。
「これは本当に私を幸せにするモノか?」
"Is that really going to make me happier? Truly?"

第二に、新しいマントラ
「スモール・イズ・セクシー」。やたらと大きいもの、数が多いものは持たない。

そして三つめ、スペースや家具を多機能に活用する。
これはちょっとどうかな?と思いました。
「ベッドにもなる食卓」は、ベッドとしては寝心地が悪く、食事もしにくいのではないでしょうか?
無理に来客用ベッドや椅子を揃えるよりも、我が家のようにもてなせるなじみの店を持つことで代用するのも一つの方法でしょう。

プレゼンの結びは見事です。
帰宅して玄関のドアを開いたら、こう自問すること。
「もう少し整理できないか?」
"Could I do with a little life editing?"
「そうすれば自由が増えるのでは?」
"Would that give me a little more freedom?"
「そして時間にもゆとりができるのでは?」
"Maybe a little more time?"

最後に再びグレアムはステージ上の段ボール箱に言及します。
「この箱の中身は何か、そんなことは、どうでもいいんです。こんなものは要りません」
"What's in the box? It doesn't really matter. I know I don't need it. "
「もしかしたら、『少なさ』は『豊かさ』と同じかもしれません。ですから、よきもののために場所を空けましょう」
"Maybe, just maybe, less might equal more. So let's make room for the good stuff."



伊豆の断食施設「やすらぎの里」の個室。ここで6泊7日過ごしました。断食なのに1泊約1万5000円というと目を丸くする人も多いのですが、その価値はあります。できるだけストレスを少なく断食をやり通すためのノウハウが蓄積された施設ですし、それだけ払えば、多少のことではギブアップする気になりません。断食中、この机に向かって食事シーンの出てこない小説を読んで過ごしました。モノだけでなく食べ物も、余計なカロリーは体内に取り入れないで生きていきたいものです。
体重が危険領域まで増加すれば、再び「やすらぎの里」入所だと考えると、肥満抑止効果はあります。