翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

「となりの億万長者」は、驚くほど質素

パブロ・ピカソの名言、I'd like to live like a poor man with lots of money.(大金を持った貧乏人のように暮らしたい)を紹介しましたが、お金持ちだからといって、湯水のようにお金を使っているわけではありません。無駄金を使わず、質素に暮らしているお金持ちも多いのです。

2年前に某金運本を書くために、参考にした書籍のひとつが「となりの億万長者」(早川書房)です。
お金持ち本というと、自己啓発系が多いのですが「となりの億万長者」はアメリカのマーケティング学者がリサーチに基づいて書いたものです。
リサーチ対象は、純資産100万ドル以上を持つ1万人。そのうち、信託財産や相続資産から何らかの所得を得る人は19%ですから、8割以上は、一代で富を築いた人です。

この本には驚くべきエピソードが満載です。

たとえば、富豪を取材するにあたり、マンハッタンのイーストサイドにあるしゃれたペントハウスを一日借りました。超高級ケータリング業者にパテやキャビアに用意してもらい、年代物のワインも取り揃えました。
お金持ちの好みに精通しているところを見せようと「1970年のボルドーはいかがでしょう?」と勧めると、返ってきた答えは…。
「私はスコッチかビールしか飲まんよ。ビールは2種類。バドワイザーかタダで飲めるヤツだけだ」

さらにもうひとつ。
親しい仕事仲間からロールスロイスをプレゼントされたお金持ち。好みの色で内装を特注したので、納入まで5ヶ月かかると聞かされました。
せっかくの好意なのに、勇気を出して「要らない」と切り出しました。

プレゼントを断った理由を、彼はこう説明します。
ロールスロイスでは、魚釣りに行って、釣った魚を後ろの席に放り込むわけにはいかないからね。今の車ならどうってことないけれどね」
いきつけの汚いレストランに乗りつけるわけにもいかないし、第一、通勤に使えない。所有する工場のオフィスにロールスロイスで乗りつけたりしたら、工員たちから反感を買うだけです。かといって車を二台持つのは不経済。
「私にとって車はあまり重要じゃないんだ。ロールスロイスに乗るよりも、もっと、楽しいこと、おもしろいことが世の中にあるんだ」

お金が足りないから、高価なものが買えないと不満を抱いている人にお勧めの一冊です。一読すると、考えが変わるはずです。


フィンランドの典型的なサマーコテージ。見た目は質素ですが、中は快適そのもの。別棟にサウナもあり、湖で天然の冷水浴ができます。