翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

金の甲、銀の甲、銅の甲

四柱推命では、日干(生まれた日に巡ってくる甲乙丙丁…の十干)をもって「我」とします。
占い原稿を書くときは、それぞれの日干を自然界の象に置き換えて、甲(きのえ)だったら、「天に向けて伸びる樹木=向上心が強い努力家」といったパターンがあります。
実際の鑑定では、もう一歩踏み込んで、生まれた季節、生まれた時間まで見て風景画のように読んでいきます。

十干にはそれぞれ個性があります。
共に四柱推命を学んだ占い師の友人の優春翠とよく話すのですが、幸福で充実した人生とは、持って生まれた十干をベストな形で世の中に出している人ではないでしょうか。

ノーベル賞受賞者も犯罪者も、あらゆる人に誕生日があり、すべての人は命式を持っています。
持って生まれた命をどういう形で世間に出しているか。そこが大きな分かれ目です。
優春翠と私はオリンピックのメダルになぞらえて、「この人は金の甲(きのえ)。すばらしく生い茂った大木として世の中の役に立っている」「そこそこがんばっている銀の甲」みたいな話をします。
金銀銅があれば、予選落ちする泥とか錆とか、折れた甲だってあります。

一番わかりやすいのが、自然界で大地や畑を示す己(つちのと)です。
金の己は、高価な作物がたわわに実った畑、あるいは銀座の一等地だとしたら、泥の己は産業廃棄物が不法投棄された荒地。
大地という性質は一緒でも、大きな差が出るのです。

これは西洋占星術でも同じで、金の双子座はコミュニケーションスキルがあり、常に情報収集して世間に新しい風をもたらす人。泥の双子座は飽きっぽくて軽薄なチャラ男といった具合です。

日干のレベルを上げることで、金や銀を目指せます。
そのためには自分を知ること。甲(きのえ)の人が辛(かのと)や癸(みずのと)のように生きようとしても、甲としてのレベルは上がりません。

占い鑑定を受けなくても、本能的に自分の性質を知っている人は、それを最良の形で社会に示すことができ、成功者となっています。