翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

「目ざめよ」と、グルジェフは言う

四柱推命を最初に教わったのは鎌崎拓洋先生です。
四柱推命は的中率が高く、占いの帝王とも呼ばれていますが、命式(生まれ持った五行の配置)と行運(巡り来る五行の流れ)ですべてが決まるわけではありません。
ある日、鎌崎先生はこんなことをおっしゃいました。

「命式と行運の通りにすべてが起こるというわけではなく、何も考えずに衝動のままに生きていたらこうなるということ。
無自覚のままに生きているとこういう傾向があると意識化することによって、パターンを変えることができる。これが開運につながる。

自分のパターンを客観視すれば、曲がり角に来たときにまちがった道を選ばなくてすむ。
同じ命式でも、日干の次元が上がれば違う人生になる。生まれた日時によってすべてが決まっているわけではない。
命式やホロスコープは目ざめるためのツールである」

「同じ生年月日でも運命が違うのはなぜか」という問いに対する一つの答えです。

そして鎌崎先生はグルジェフの「人間はみな眠っている」という言葉を引用しました。

四柱推命でいきなりグルジェフが登場するのが鎌崎先生らしいところですが、この講座で劣等生だった私は具体的な占術ノウハウよりも、こうした部分を鮮明に覚えています。

グルジェフは、コーカサス南部生まれの神秘思想家。

人間は、外部のさまざまな出来事に操られる機械じかけの人形にすぎない」というがグルジェフの基本的な考えです。

機械でなくなるためには、第一に機械そのものを知ること。本物の機械は自らを知らないし、また知ることもできない。つまり機械が自分自身を知れば、もはや機械でなくなる。少なくとも以前のような機械ではなくなり、その行動に責任が伴いはじめる。
浅井優志訳「奇蹟を求めて」平河出版社より)

グルジェフは厳しい労働と訓練によって機械の状態を脱することができると説きますが、自分がどんな機械であるかの手がかりは占いでも得られます。

四柱推命の命式は、機械の取り扱い説明書のようなもの。
たとえば、高性能なオーブン電子レンジを買っただけでは、おいしい料理はできません。説明書を理解し、食材を買い集めて切り刻んで味付けをする必要があります。
勘のいい人なら、説明書がなくても、うまくオーブン電子レンジを使いこなすでしょうが、やはり説明書があったほうが有利です。

自分はどんなミスを犯しやすいのか。うまくいかない人ばかり好きになるのはなぜか。どんなことに動揺し、どんな状況で怠け心が出て自暴自棄になるのか。
占いで自分を知れば、深い眠りから目ざめることができます。そして、無意識のうちに繰り返していたパターンを変えて、運気の流れを好転させることも不可能ではないのです。