翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ネズミと猫、どちらを見るか

渋谷でアラン・コーエンの講演会があり、コスミック出版「ららはぴ」編集長と出席しました。
昨年、アランのマウイ島リトリートの記事を「ららはぴ」に書いたところ、好評だったらしく、講演会も取材することになったのです。

アランの教えは、一貫して「バイブレーション(波動)を上げて、豊かな人生を送る」というものですが、頭ではわかっていても、現実生活ではなかなかむずかしいことです。

人が期待通り動いてくれることはめったにないし、自分に対しても満足できない毎日。収入の不安はあるし、花粉症の不快な症状も続きます。そんな精神状態では、バイブレーションが低くなり、同じような低いバイブレーションのできごとを引き寄せ、ますます落ち込むという悪循環に陥りがちです。

イエス・キリストは、たとえ話の天才と言われますが、アランも抽象的な概念ではなく、日常生活からヒントを得て、巧みに教訓を引き出していきます。

たとえば、こんな話。
アランは自然豊かなマウイ島に暮らしているので、野生のネズミもいます。食料を求めてネズミが家の中に侵入してくるのを防ぐために、アラン夫妻は猫を買い始めました。

ある日、アランは朝の日課の瞑想を終え、幸福感にみちあふれてリビングルームに行きました。すばらしい朝です。ところが、リビングでアランを待っていたのはネズミの死体でした。
床に転がっているネズミの死体をシャベルに載せて庭に運びながら、アランはせっかくの朝の気分が台なしになったと嘆きました。

しかし、アランの奥さんはまったく違う反応をしました。
猫がちゃんと仕事をしたことを喜び、猫を称えたのです。

ここからアランは、パースペクティブ(物の見方)によって、同じできごとでも心に与える影響はまったく違ってくると悟ったのです。

死んだネズミ、成功した猫、どちらに意識を向けるか、私たちはあらゆる瞬間に選択しています。
引き寄せの法則では、フォーカスするものがますます増幅してきますから、死んだネズミのことばかりに意識を向けていたら、ますますネズミが寄ってくるのです。
パラレル・ワールド(平行現実)はSF小説ではなく、私たちの意識の中に存在しています。多くの次元からどの現実を選ぶかは自分しだいです。猫を探せば、必ず見つけることができるとアランは説きます。

私は猫を飼っていませんが、近所の酒屋にはサイモン、八百屋にはレタスと豆という看板猫がいます。
彼らの姿を見るたびに、アランの教えを思い出し、自分はちゃんと猫を見ているだろうかとチェックすることにします。

アランの講演会の終了間際、ちょっとしたアクシデントがありました。
渋谷区一帯が停電になり、会場が暗くなってしまったのです。マイクも使えません。
アランは「内側の光に集中すれば、暗闇は気になりません」と語りました。
マイクを通さずに聞くアランの声は、深い愛と知恵にあふれていました。

※講演会のリポートはコスミック出版「ららはぴ」6月発売号に掲載予定です。