四柱推命では、生年月日から立てた命式を陰陽五行に基づき、風景画として見る手法があります。
たとえば私は、冬の山です。火と水に囲まれているので、火山とも取れるし、水を海に見立てれば火山島になります。
アラン・コーエンのセミナーでマウイ島へ行ってみようと思い立ったのも、友人の占い師から「マウイ島は、あなたの命式みたい」と言われたのがきっかけです。
日本国内では、山の温泉となります。
私の住んでいる杉並区では、裏磐梯(北塩原村)と保養地協定を結んでいて、区民向けツアーが開催されます。
昨年10月、そうしたツアーを利用して裏磐梯に行き、山と温泉、農作業体験を楽しみました。
この2月、裏磐梯では雪まつりが開催され、杉並区からのツアーも実施されると聞いていたのですが、雪に覆われた厳寒の地に一人に行くのは、あまりにも寂しすぎる…。
かまくらで雪見酒を飲み過ぎて、そのまま忘れ去られ、翌朝冷たくなって発見されるようなことになっては大変です。
そんなことを考えて躊躇していたら、ツアーが実施される1週間前の木曜日の夜、タロットバー・アーサに、前回の旅で知り合った人が来てくれました。ともに農作業に勤しみ、酒を飲んだ仲間です。
そして、「来週、裏磐梯の雪まつりに行く」と言うので、その場で私も参加を決めました。
というのも、タロットバー・アーサのマユー先生と九星気学の話題になり「今年は北が吉方位だから、北海道に行こうか。もっと近くなら会津あたり」と話していたからです。
そうした会話の後に、訪ねてくる人が旅の同行者となるのなら、これは行かないわけにはいかないでしょう。偶然を利用する卜術(ぼくじゅつ)を使う占い師なら、流れに乗るべきです。
脳裏に浮かんだのは、ユング心理学では有名な「スカラベ」のエピソードです。
ある患者が、金色のスカラベの夢を見て、その話をユングに語っているときに、部屋の窓に虫がぶつかります。その虫はスカラベに最も近い黄金虫だったので、合理主義者だった患者の態度が変わり、一気に心理治療が進みました。
雪まつりの夜は、エコナイトファンタジーが開催されます。凍結したれんげ沼の湖面に3000本のキャンドルが灯されます。
昨年秋の農業体験でお世話になった北塩原村役場の方にも再会できました。杉並区からは学生ボランティアも雪まつりの準備に協力しています。
湖面に輝く無数の灯りは、息を呑むような美しさです。
六十干支でたとえれば、炎は丁(ひのと)で湖は亥(い)ですから、丁亥。そして磐梯山は火山ですから戊午(つちのえ・うま)。この六十干支を命式の中に持つ私にとって、冬の裏磐梯は、まさに自分の居場所です。
翌日は会津へ。
2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の舞台となる会津藩校日新館を訪れました。
会津藩士の子弟が四書(大学・論語・孟子・中庸)・五経(易・書・詩・礼・春秋)を学んだ藩校です。
易経を学ぶ者として、訪れてみたかったところです。
足利学校では易を兵法に活用していましたが、日新館では易経はあくまでも四書五経の一つであり、占いとして学ぶことはなかったそうです。
会津は昭和の易聖・加藤大岳を生んだ地でもあります。
裏磐梯と会津。シンクロニシティに気づき、行動力があれば、行くべき場所にたどり着くことができます。