翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

ブログで実感する「言葉の力」

対面鑑定で「言葉の力」をいかに使うかを考える日々ですが、こうして文章を書くことも、鑑定へとつながっています。

というのも、「ブログを見て」と鑑定予約をしてくださるお客様が出現するようになったからです。

ブログをスタートした当初、想定した読者は編集者でした。
ライターとして占い師の先生を取材して原稿を書くところから一歩進んで、女性セブンやイースト・プレスの恋運暦で「翡翠輝子」という占い師名で記事を掲載するようになり、他誌からもオファーされやすいようにホームページを作成しました。

目論見通り、新雑誌から取材や執筆などの依頼をいただきましたが、対面鑑定の予約も舞い込むようになったのです。

横浜中華街大通りに面した華陽園では、大半が「振り」のお客様です。おいしい中華料理を食べて、時間もあるから占いでもしようかと、ふらりとお店に入り、たまたま私が担当することになります。

人相の師匠の天童春樹先生は、大家となった今でも街占を続けられています。
「その日の風向きによって、社長からヤクザ、主婦までどんな客が来るか予測できないからこそ、真剣勝負となり、街占はおもしろい」とおっしゃいますが、私はそこまでの度胸はないので、お客様が目の前に座るたびに緊張します。

一方、阿佐ヶ谷のタロットバー・アーサは、ビルの2階にあり、一見さんはまず入ってこない店です。鑑定は予約制で、あらかじめ生年月日をお聞きして四柱推命の命式を立て、あれこれ予測しながらお客様の到着を待ちます。

初対面のお客様でも「ブログを読んでいます」と声をかけていただけると、私は一気に気持ちが楽になります。その時点で、私がどんな占いを目指しているかをわかってくださっていると思うからです。

活字メディアの衰退で、雑誌のライターは昭和40年代の炭鉱夫と同じような運命をたどるのかと悲観していたのですが、ネットに文字を綴ることで、新たなご縁が生まれます。
時代の変化を恐れるだけでなく、新たな時代がもたらす恩恵に感謝したいと思います。

ボブ・ディラン先生もこう歌っています。

And admit that the waters
Around you have grown
And accept it that soon
You'll be drenched to the bone.
If your time to you
Is worth savin'
Then you better start swimmin'
Or you'll sink like a stone
For the times they are a-changin'.

まわりの水位が高くなっていることを認めよう。
そしてすぐに、骨までびしょぬれになることを受け入れよう。
もしあなたの人生が価値のあるものなら、泳ぎだしたほうがいい。
そうしないと、石のように沈んでしまう。
時代は変わっているのだから。

この曲が作られたのは60年代というのが驚きですが、いつの時代も絶え間なく変化が続いていたわけで、今だけが大変というわけではないのでしょう。

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