翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

温泉や銭湯で話しかけられるうちは大丈夫

ウラナイ8のメンバー、夏瀬杏子さんのお母さんは、見知らぬ人にもどんどん話しかけるそうです。算命学でいう禄存星。愛されたいという欲望が強く、積極的に人間関係を広げていこうとします。

 

私も杏子さんのお母さんと同じく、禄存星が効いていますが、話しかけるよりも話しかけられるタイプ。銭湯や温泉、服を脱ぎ化粧を落として最も無防備になっている時によく話しかけられます。

 

先日、水風呂のある銭湯でのこと。

サウナがないので、温冷浴を繰り返していました。同じように温冷浴をしている老婦人から「さしでがましいですが…」と話しかけられました。

「水風呂から出てすぐに温かいお湯に入るのはもったいないですよ。人間の体は、寒いと感じたら内側から温めようという力があるんです。その力が出るのを待ってから温かいお湯に入ったほうが効果的です」

 

たしかに『サ道』で「ととのう」のは、水風呂の後の休息です。大きめの施設なら外気浴のスペースに椅子が置かれています。

しかし、老婦人からアドバイスを受けた銭湯では水風呂のあとの休息スペースがありません。そこで洗い場の椅子に座って歯を磨いたりお肌のマッサージをしているとのこと。

 

以来、水風呂の後は休息タイムを取ることに。冬は水滴がついたままだと体がなかなか温まらないので体をしっかり拭いています。

 

湯の川温泉でも地元のご常連から、水風呂には首までつかるようにアドバイスされました。
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温泉での会話というと思い出すのは青森の谷地温泉

千葉から来たという老婦人との会話が盛り上がりました。

「不動産業を始めたおかげで、冬は毎年、湯治に来られるようになった」とのこと。

谷地温泉に水風呂はありませんが、お湯がぬるいので長湯ができます。そのおかげで不動産業の成功の秘訣をたっぷり聞くことができました。

 

一般に不動産業は立地がすべてと言われていますが、老婦人はこまめなケアで資産を増やしていったのです。そもそも、不動産業を始めた頃は専業主婦。近所のアパートの一室が格安で売り出されていたのをなけなしの貯金で購入。徹底的に掃除して貸し出したところ、下見に来た人がすぐに借りてくれました。家賃収入を貯めて新たな部屋を購入。ついには一棟買いができるほどにお金が貯まったそうです。自分が管理すれば、余計な費用もかからないし、入居者にも目が行き届きます。

 

そんな蓄財法があるのかと大いに感心すると同時に、ずぼらな私には絶対に無理だとわかり、株に集中しようと決意。管理会社に任せれば手間はかからないといっても、入居者の死去や事件など何が起こるかわかりません。それに一昔前ならいざ知らず、少子高齢化がハイスピードで進む日本で不動産業なんてとても手が出せません。

 

気ままに旅に出たり温泉巡りができるようになったのも株のおかげ。

そして、裸の状態で話しかけられているうちは運気も大丈夫だと思っています。街角ならキャッチセールスや宗教の勧誘もあるでしょうが、入浴中の裸の状態でわざわざ見知らぬ人に話しかけようという人に悪い人はいないからです。

 

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杉並と中野の中間にある香藤湯。サウナも水風呂も大いに好みです。

笠地蔵と『シンドラーのリスト』

ケネス田中先生の仏教英語講座では、子供向けの英語漫画も教材の一つでした。

www.bdk.or.jp

 

愛犬を亡くした小学生の女の子が仏教に目覚める話。最後のシーンでは道端のお地蔵様に手を合わし、お供えされている新鮮な花や水を見て、すべての人が支え合っている(interdependent)ことに気付きます。

 

お地蔵様と言えば笠地蔵。年末のNHKのラジオ英会話楽習でも取り上げられました。英語で聞くととても新鮮です。

 

笠地蔵で最も感動するのは、おばあさんの態度。

お正月のおもちさえ買えない貧しい暮らし。年末の市で売るために笠を作って夫が市場に売りに行きます。手ぶらで帰ってきたので売れたのかと思いきや、吹雪にさらされているお地蔵様にかぶせたというのです。しかも笠が5つしかなかったため、六体目のお地蔵様のために、自分の手ぬぐいさえ差し出してきたとは。

普通の妻なら「甲斐性なし!」と悪態をつくのが普通なのに、おばあさんは「それはいいことをしました」と夫をほめます。大みそかの夕餉は漬物と白湯というのも泣かせます。

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旭川の歩道は除雪されていて雪に慣れない旅行者も安心ですが、銅像の肩のあたりはちょっと寒そう。

 

笠地蔵との対照で思い出すのが映画『シンドラーのリスト』のシーン。

強制収容所に送られる前のヨーロッパのユダヤ人。家を没収され、とにかく住むところを探します。やっと見つけた場所に落ち着こうとした夫妻。かなり裕福な生活を送っていたのでしょう、「こんな狭いところしか見つけられないなんて!」と夫に悪態をつきます。しかも次から次へと、同胞のユダヤ人が「シャローム」と挨拶して入って来ました。

 

ユダヤ人の妻はけっこうわがままな人が多いそうです。

JAPは日本人の蔑称だけでなく"Jewish American Princess"の略。既婚のユダヤ人女性はお姫様のようにあれこれ要求するのだとか。

 

アメリカ人じゃなくても『シンドラーのリスト』で夫に悪態をつくユダヤ人妻はプリンセスのよう。

仮住まいは見つけたものの、その後には強制収容所の地獄が待ち受けているのですが、こんな妻を持った夫は結婚後ずっと地獄を生きてきたのではないかと想像します。

お正月のおもちが買えない極貧生活でも、配偶者からののしられる地獄よりずっとましです。

 

戦争や災害など、個人の力ではどうしようもない地獄がある一方で、家庭や職場、学校ででモンスターのような個人が作り出す地獄もあります。

地獄を作る側になりたくないし、近しい誰かによって地獄となったら、全力で逃げ出す手段を探すしかありません。

 

まついなつきさんの思い出

まついなつきさんの訃報はウラナイ8のメンバーから知らされました。

 

ウラナイ8が誕生したのは、まついなつきさんのやっていたウラナイトナカイの閉店がきっかけ。トナカイのお店のメンバーは、親しみを込めてまついさんを「店長」と呼んでいました。

 

最初にまついさんにお会いしたのは2014年の夏。

地元の美容室に頼まれて、七夕祭りの占いイベントを立ち上げ、美容室の移転に伴いタロットバー・アーサに場所を移した年に、まついさんが占い師として座ってくれました。アーサも今はありません。仏教英語講座で繰り返し学んだ"impermanent"、すべてのものは変わるのです。

 

この時に受けた西洋占星術の鑑定が、私のその後を大きく変えました。

 

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木星期も土星期も山羊座なんですけど、フィンランド人と交流しながら楽しく過ごす方法はありませんか」と問う私に、「そんな方法はない」と断言。

まついさんに言われなければ、日本語教師になろうなんて絶対に思いつかなかったでしょう。20代からずっと働き詰めに働いて50代も半ばを過ぎ、そろそろ仕事を減らしておもしろおかしく暮らすことしか考えていませんでしたから。

占いの結果に盲目的に従うのではなく、自分の中で消化して、具体的な行動に落とし込むこと。まついさんの鑑定はそんなスタイルでした。

 

日本語教師として実際に教壇に立てたのは、天海玉紀さんのインナーチャイルドカードのおかげです。

 

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そもそも、玉紀さんと知り合えたのも、まついさんが作り上げたトナカイという場のおかげ。

最初は時間を忘れて占い談義に花を咲かせる飲み仲間でしたが、トナカイの南阿佐ヶ谷移転から不定期の講座を企画してもらい、そのうち夏瀬杏子さんにもお世話になるように。深瀬まるさんのイベントにも顔を出し、ミズマチユミコさん、甘夏弦さん、そして玉紀さんの鍼灸師仲間の白鳥ともみさんとも知り合い、昨年の夏にウラナイ8が誕生しました。

 

昨年のゴールデンウィークに玉紀さんが開催した「ウラナイトナカイ・アースダイバー」でも、まついさんとご一緒しました。鑑定の場を離れると、とても気さくで、途中に立ち寄ったミニストップでソフトクリームを味見させてもらいました。

そして、ウラナイ8結成のご挨拶にうかがい、温かい言葉をいただきました。

 

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私が毎日退屈せずに暮らしているのも、ウラナイ・トナカイがあったからこそ。私だけでなく多くの人が、まついさんが成し遂げたことのおかげで人生が変わったと感謝しているのではないでしょうか。

 

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北海道・富田ファームの花々。 それぞれの花の個性は違っても、寄せ植えでで一つの世界ができます。トナカイ、そしてウラナイ8もそんな場になればいいのですけれど。

くつろげなかった温泉旅館の部屋で空間の力を実感

大分の別府旅行は所用のついでの一泊一人旅。宿にこだわりがなく、温泉旅館の豪華な夕食は食べきれません。寝る前に温泉に入りたいのでお酒も飲みません。ということで一人泊ができて朝食のみという宿を探しました。

 

一泊朝食付き5200円のリーズナブルな温泉旅館を予約。一人泊は洋室でベッドとデスクがあるのも好都合です。

 

しかしチェックインして鍵をもらい部屋に入ると、何やらどんよりした雰囲気。せっかく別府に来たというのに、気分はミンチン女学院で屋根裏部屋に押し込まれた『小公女セーラ』。部屋全体が古いといっても、スペース自体はそれほど狭くもなく、ベッドも大きめのセミダブルなのに。とても部屋でくつろぐ気にならず、早々に大浴場に向かいました。

 

宿泊客が少ないせいか1階の大浴場、屋上の露天風呂ともに貸し切り状態で誰も入って来ません。水風呂はありませんが、冷水シャワーで体を冷やして体を拭き、外気浴も思う存分できます。そして、さすが別府の温泉。お湯に力があるのが感じられます。

 

夕食は外で食べて、またお風呂。部屋ではWi-Fiがつながらないこともあり、ロビーにずっといました。水槽に鯉が泳ぎ、けっこう立派なロビーです。

翌朝は6時過ぎに起きて屋上の露天風呂で夜明けを迎えました。朝食が7時から8時半までだったので早起きしたのです。

 

朝食会場には私を含めて3組。大丈夫か、このホテル…。シングルルーム以外はちゃんとした部屋だろうし、スタッフも感じがいいし、何よりお風呂はすばらしいのに。

 

後でネットの口コミを見ると、私が泊まった格安シングルルームは「添乗員部屋」だったそうです。なるほど、それではくつろげません。団体客を連れてあれやこれやのトラブルに対応する添乗員の気苦労がしみ込んだ部屋ですから。

 

旅の予算を抑えるのも大切だけど、やはり安い価格は相応の理由があるもの。

…と思ったら、夫と二人旅の那覇では超安値の快適な部屋に当たりました。

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開業記念の特別プランで、素泊まりで4400円。一人じゃなくて二人分の料金です。どこもかしこも新しいし、ホテルのスタッフも意欲的で、てきぱきとしています。

(なお、別府も那覇もフロントで対応してくれたのは流暢な日本語を話す外国人スタッフでした。日本人だけを相手にしていたのではホテル業は成り立たず、外国語の苦手な日本人より英語と日本語、それに自国語もできる外国人を積極的に雇用しているのでしょう。)

 

よく風水の原稿で「環境によって運気が変わる」みたいなことを書きます。

乱雑な部屋に暮らしていると、それが当たり前だと思い、部屋は乱れていく一方。ガラクタが詰め込まれた無秩序な空間に気力を奪われ運気も停滞します。

旅に出て新しい環境に身を置いてみることで空間がいかに人の気持ちを左右するかを実感できました。

お湯の力を信じる

めったに病気をしないのに、先月は2週間ほど胃腸の痛みに悩まされました。

 

原因は暴飲暴食です。11月はJALの「どこかにマイル」で北海道へ行き、月末にはかねてから計画していた糸魚川・金沢旅行へ。普段は粗食なのに、旅先で調子に乗ったため、胃腸が悲鳴を上げたのでしょう。

たいていの不調は一晩寝れば治るのに、断続的に腹痛が続きました。寝込むほど深刻ではなく仕事も用事もこなしていたのですが、食欲はなく果物とヨーグルトで過ごす日々。ヨガ断食の時と同じほどやせました。

 

そうこうしているうちに長崎旅行の日が近づいてきました。しかも早朝出発なので横浜のスカイスパの前泊を予約しています。

できたらキャンセルしたいけれどJALの「どこかにマイル」なので、行かなくてもマイルは引き落とされます。長崎にどうしても行きたかったので、決行することに。

 

まず横浜に出てスカイスパへ。いつもはサウナと水風呂を往復するのですが、とても無理。おそるおそる炭酸泉に入りました。

正確には人工高濃度炭酸泉。血流がよくなり代謝が活発になるという効果があるそうですが、パンチがなくて物足りないお湯だと思っていました。それが、慢性の腹痛を抱えて弱りきった身にとっては、癒しのお湯です。ぬるめなので長時間入ることができ、そのうち、胃腸が動き出すのが感じられました。

「これは治る」と確信。手負いの野生動物が天然温泉で傷を治すようなものです。

 

というわけで、かなり回復して長崎に向かいました。

長崎名物といえば、ちゃんぽん。長崎県民にお勧めの店を聞くと「リンガーハット」という答えが多いそうですが、特別なご馳走というわけではなく日常気軽に食べるものなのでしょう。

JR長崎駅ロイヤルホストでちゃんぽんを食べました。全国のロイヤルホストでちゃんぽんを出しているのはここだけです。  

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ブラック企業が多い外食チェーンの中で、ロイヤルホストは比較的ホワイトだと言われています。店内調理にこだわっているので、腕をふるう料理人も多いとか。

このちゃんぽんは病み上がりの身に染み渡りました。こんなにおいしいのだから、私の胃腸はもう大丈夫だと確信しました。

 

 テレビ東京のドラマ「サ道」の最終回では、単純にサウナを楽しめという意味をこめて「サウナを信じるな」と繰り返されてました。

若者よ、サウナを信じるな。ととのうとは何か? ただの言葉だ。特別な状態を追い求めてはいけない。なぜなら、そんな状態はこの世に存在しないからだ。幸せを信じ、追い求めることが、幸せでない苦しみを生み出すのだ。サウナとは、身体を温め、水風呂に入り、身体を休める。ただ、それだけのことだ。そこにあるのは、安らぎと喜びだけ。それ以上求めてはいけない。あるがままに、その安らぎと喜びを感じていればいいのだ。サウナを信じるな。サウナを信じるな。

しかし私は、お湯には体調を整え病を癒す力があると実感しました。今年も温泉や銭湯、サウナを楽しみながら健康で過ごしたいものです。

   

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というわけで、今年初の旅は温泉県の大分へ。別府の温泉旅館をチェックアウトして、空港バスの出発時間まで街を歩いていたら、こんな立ち寄り湯が!

入浴料金200円。体を洗って湯船に入ろうとすると、ご常連さんから「そっちは、あつ湯!」。はいはい、初心者はまず入りやすい「ぬる湯」からですね。さすが温泉県。200円でこれほどのお湯に入れるとはびっくりです。