11月はJALの「どこかにマイル」で北海道がよく候補に出てきます。秋の観光シーズンが本州より一足早く終わっているからでしょう。
先週は釧路へ飛びました。札幌は雪のようでしたが、釧路は快晴。
JRで厚岸(あっけし)まで行くことにしました。釧路と根室を結ぶ根室本線は別名「花咲線」というかわいい名前を持ちながら、「単独では維持することが困難な路線」となっています。
かつては北海道第四の都市だった釧路ですが、人口で苫小牧市に抜かれました。駅前の大通りもがらんとしてシャッターが下りたままの空き店舗が目立ちます。東京では決して実感できない人口減の危機が、地方に旅するとひしひしと感じられます。
釧路駅からのJR乗車に戸惑いました。改札がICカードに対応していないので切符を買おうとしたのですが、券売機がどこにも見当たりません。みどりの窓口に二人ほど並んでいるだけだったのであまり待たずに買えましたが、いくら車社会とはいえ、いちいちみどりの窓口で切符を買うのは面倒では?
一両編成の花咲線に乗って疑問は解けました。バスと同じで、整理券を取って現金払いができるのです。無人駅もあるからでしょう。
海外だとさらに大変です。秋に旅したスペインでは、高速鉄道のRenfe(レンフェ)で移動しました。日本からネットで予約できるのですが、悪戦苦闘しました。英語表記にしても注意書きはスペイン語のままだし、発売開始のタイミングがよくわかりませんでした。
日本のクレジットカードは通りにくいという情報もありましたが、予約ができれば支払いはスムーズでした。
送られてきたPDFファイルを印刷しておいたのですが、現地でも戸惑うことばかり。どのプラットフォームから発車するか、直前になるまでわからないのです。そして、マドリードに戻ってきた時は、プエルタ・デ・アトーチャ駅ではなく一つ前のアトーチャ・セルカニアス駅で降りてしまい、印刷したQRコードでは改札が通れず、大いにあわてました。
長距離列車が出るプエルタ・デ・アトーチャ駅には、熱帯植物が植えられていて、リゾート気分が味わえます。
見知らぬ土地では、戸惑うことばかり。お金とエネルギーを使って、なんでこんなことばかりやっているのか、自分でもあきれてしまいます。家にじっといて本を読んだりネットフリックスを見ていれば何のストレスもないのに。
それでも旅に出るのは、コンフォートゾーンから踏み出したいから。
この言葉を教えてくれたのは、アメリカ人のカウチサーファーのケネスです。
bob0524.hatenablog.com
自分が心地よいと感じられる場所だけにいたのでは、何の変化もないし、成長もしない。
コンフォートゾーンという言葉はいかにもアメリカ人好みですが、東洋占術でも停滞を嫌い、常に新しい風を入れることを推奨しています。
コンフォートゾーンから一歩踏み出すには、遠くに旅する必要はありません。
私が通っているスポーツクラブは水曜が休館日なので近くの銭湯やサウナに足を伸ばしていますが、通い慣れたスポーツクラブとは違う緊張感を味わいます。「主(ぬし)」と呼ばれる常連客の不興を買わないように気を付けなくてはいけませんから。
歳を取るにつれてコンフォートゾーンでぬくぬくと過ごしたいという気持ちが強くなりますが、あえて一歩踏み出す勇気を持ち続けようと思います。